佐藤健(32)が16日、都内のTOHOシネマズ六本木ヒルズで行われたアニメ映画「竜とそばかすの姫」初日舞台あいさつで、ワールドプレミア上映されたカンヌ映画祭が開催中のフランス・カンヌからリモートで参加した細田守監督(53)に「我々も、そちらに行きたいです」と、笑顔で呼びかけた。

佐藤は、中村佳穂(29)演じる主人公の17歳の女子高校生・すずが、全世界で50億人以上が集うインターネット上の仮想世界<U(ユー)>で「As(アズ)」と呼ばれる自分の分身「ベル」を作り、開いたコンサートを台なしにするも、次第に心を通わせていく謎の存在・竜を演じた。佐藤は、スクリーンに映った細田監督の頭上に広がったカンヌの空を見て「空、青っ! スターはいましたか?」などと、細田監督に語りかけた。

細田監督は「(米俳優)ティモシー・シャラメもラフで、かわいいTシャツを着ていました。(米国の)ウェス・アンダーソン監督も俳優に囲まれて…そういう人々を日常的に見かける、非日常空間」とセレブが闊歩(かっぽ)しているカンヌの今を語った。その上で「中村さんの歌がカンヌに響いていて、見た人がやられちゃっている感じが、すごく伝わってくる。映画を見た後、口ずさみながら映画館を出ている」と、中村が歌唱し、演じたベルの歌声がフランスの観客にも届いていたと強調。「日本語、英語、フランス語とか関係ないというのを目の当たりにして、本当にベルは世界の中心で歌っていたんだと改めて実感しています。中村さんのおかげです」と熱っぽく語った。

それを聞いた中村は「インスピレーションが湧きそう。精進します。素晴らしい。監督のおかげです」と感激していた。