東京オリンピックで柔道女子57キロ級芳田司(25=コマツ)の銅メダル獲得を中継した26日のNHKの放送で、解説を務める12年ロンドン五輪同階級の金メダリスト松本薫さん(33)が、号泣しながらインタビューし、芳田がもらい泣きする場面があった。

現役時は闘志を前面に出すスタイルから“野獣”の愛称で知られた松本さんだが、この日はスーツ姿でソフトな語り口を披露。試合後、森花子アナウンサーから女子3位決定戦について聞かれた松本さんは、「あれこそ芳田司、私のライバルだった、という柔道です」とカメラ目線で訴えた。

続いて試合後のインタビュー映像が流された。マスク姿の松本さんは芳田に「つかさ…」と呼びかけると、言葉を詰まらせ、目頭を押さえ号泣。続けて「おめでとう。ケガをして、自分の柔道ができなかった時もあると思う。でも今日の柔道はすばらしかったと思います」と、感想を芳田に伝えた。

芳田も思わずもらい泣き。松本さんからの「今日のオリンピックどうでしたか」という質問には、「精神的にもまだまだだし、技術もまだまだって思い知らされました。たくさんの人に支えられてきたと思います」。松本さんの「どんな人に言葉を伝えたい」という質問には「家族です」と答えた。

するとまた、松本さんは感極まった様子に。「ごめんね。一番ね、今、悔しい中にいると思います。ごめん、インタビューじゃなくなっちゃうね。でも司のやってきたこと、絶対間違いじゃないから」と芳田にエールをおくりながら、「司の柔道はすばらしかった。銅メダルだけど…おめでとうございます」と祝福した。