東京オリンピック(五輪)体操女子個人総合で、7月29日に金メダルを獲得したスニサ・リー(18=米国)が、1日の種目別段違い平行棒で銅メダルに終わった要因は「SNSのやりすぎだった」と反省し、ツイッターを削除する意思を示した。

前大会の王者でチームメートのシモーネ・バイルズがメンタルヘルスの問題を理由に決勝を棄権し、中国南部やベトナム、ラオスなどで暮らす少数民族にルーツを持つリーが、モン族系アメリカ人として初となる金メダルを獲得したことで認知度が急上昇し、SNSのフォロワーが一気に増えたことが要因だという。

「このメダルは個人総合よりも大きな意味を持つ」と話し、得意種目である段違い平行棒でミスをしたことは悲しいとリー。金メダルを獲得したことで気持ちが散漫したことを要因にあげ、注目を集めたことでSNSのフォロワーが一気に増えて多くの時間を費やしてしまったことを猛省した。

3日に行われる種目別平均台でもメダルが期待されているリーは「最後の競技で最善を尽くし、有終の美を飾りたい」とコメント。

大会が始まって以降、インスタグラムのフォロワーが100万人増え、ツイッターとティックトックでもフォロワーが倍増したというリーは「ツイッターは削除すると思う。インスタグラムは人が言っていることがあまり見えないから、そんなに悪くない。ティックトックは現実逃避できる場所で純粋に楽しい」と18歳らしい素顔ものぞかせている。

バイルズの欠場によるプレッシャーをはねのけて金メダルに輝いたリーの元には、たくさんの応援メッセージやモン族初のメダリスト誕生を祝福するコメントも多く書き込まれている一方、批判的なメッセージもある。

平均台ではそれらすべてをシャットアウトし「冷静になって自分がすべきことに集中する必要がある」と語っている。

リオ4冠のバイルズは、東京五輪では最後のチャンスとなる平均台決勝で競技復帰し、リーとともに出場することが発表され、女王2人の対決に大きな注目が集まっている。(ロサンゼルス=千歳香奈子)