東京パラリンピック開会式の演出トップのディレクター、ウォーリー木下さん(49)が26日未明、自身のツイッターを更新し、開会式への思いをつづった。

「どんだけ書いても書ききれないですが。感謝しかない。最高の一夜をありがとうございました。ここからはじめたいですね、僕も」などと記し、長文メモの画像を添付した。

メモでは、同じ所属事務所の演出家で、開会式の演出を担当予定だったケラリーノ・サンドロヴィッチをはじめ、さまざまなジャンルの制作スタッフの名前を挙げて、感謝の意を表した。出演者についても「全員に最大の感謝と敬意と尊敬です」と触れ、「そこにはオーディションには選ばれなかった人たちも含めて感謝しています。あの場にいた人たちだけの式典ではなかったと思います。もっといえばあの場にいなかったクリエイター、出演者、オーディションを受けてくれた人たち、そして選手のみなさん、その人たちの力があの場を作りました。ありがとうございました」と感謝を重ねた。

続けて「きっとパラリンピックに関わっている全員があのとき国立にいたのだと思います。“いる”ということは素晴らしいですね。僕はそこに泣きました。なんだか、感謝と泣きばかりしてると白々しくなりますね。それでも、当たり前ですが、たくさんの人のおかげです。人に恵まれたと思ってます」と思いを表した。

最後に「今日からはじまったパラリンピック、なるべくたくさん見られるだけ見たいと思っています。みんなで見ましょう」と呼び掛け、開会式のコンセプトでもある「WE HAVE WINGS」(我々には翼がある)と締めた。

パラリンピック開会式は、会場を「パラ・エアポート」という多様性などを投影した空港に見立て、誰もが自由な空へ羽ばたけるよう障がいがあるキャストらが風を起こすような仕掛けを用意。さまざまな風と絡み、選手たちにエールが送られた。

式全体のストーリーや、出場国入場の際などに展開されたプロジェクションマッピングを用いた演出が好評で、米ニューヨーク・タイムズ紙、英BBCなど各国メディアからも高評価を得ていた。

ウォーリーさんは、従来の演劇的な演出にとらわれない、自由な発想による変幻自在な舞台演出が魅力の演出家。2・5次元舞台ではプロジェクション・マッピングを駆使し、高校バレーボール部を舞台に試合をリアルに再現して人気を呼んだ「ハイキュー!!」などで知られる。