今年の「キングオブコント」で決勝進出を決めているお笑いコンビ、ザ・マミィが12日、都内で、公開中の映画「劇場版ほんとうにあった怖い話~事故物件芸人3~」(天野裕允監督)の舞台あいさつに出席した。

心霊現象や怪奇現象が起こる撮影スタジオを舞台にしたミステリー映画。ザ・マミィのほか、東京ホテイソン、蛙亭らお笑い芸人が出演している。

酒井貴士(30)は「銀幕スターの酒井です」。林田洋平(29)は「銀幕から飛び出してきた林田です」と登場してあいさつ。天野裕允監督(56)が作品作りに関して「脚本を書きながらキャスティングも進めていく。キャストがザ・マミィと決まって、それに合わせて書き直したりします」と説明すると、酒井は「売れてない芸人という役柄が僕にぴったり」。映画の助監督役の林田は「そっくりですね。僕しかできない役だと思いました」と振り返った。

天野監督は「時間がなくて、次から次へと撮っていった。コントの部分が一番撮り直しました」と振り返った。酒井は「僕が17かみくらいした。脚本に『ここ、酒井のピンネタフリー』と書いてあったので、3本くらい作って監督に投げました」と言って、ボツになったホテルマンの下ネタを披露。林田は「最低の下ネタだね。でも、こういうピンネタを作るんだ。意外としっかりしている」と笑った。

初の映画出演で難しかった点について、酒井は「そもそも演技自体が初めてでした。大げさに怖がるシーンはコントでもやるんでいいんですけど、普通のせりふが難しかった」。林田は「普通のせりふを言うことがないですからね」と話した。

心霊ロケについて、酒井は「本当無理。僕、結構霊感があって、霊を見たことあるんです。高校の時に、女の子から親がいないから家に来ていいよと誘われて。夜の(東京の)蒲田の街を歩いていた。で、でっかい影が付いてきて、なんかいるよねと、せーので見たら何もいない」と振り返った。

そして「そこの脇に小さな鳥居があった。その子の家に行って『怖いね、怖いね』と抱き合っているうちに(童貞を)卒業した。あれは僕の中の童貞が最後にあいさつに来たんだなと思う」と童貞喪失話を披露して笑わせた。

同シリーズは、売り出し中の芸人らをおもにキャスティング。シリーズ1、2ではニューヨーク、トム・ブラウン、かが屋、空気階段、パーパー、おいでやすこがなどが起用された。

天野監督は「3作続きました。1作目の時は本当の事故物件で撮影した。キャストにも内緒で(笑い)。でも、それは違うなと思った。ホラーが苦手な人にも見てほしい。癖になってシリーズの次も見たいとなってもらえれば」と話した。

酒井は「この映画に出て、キングオブコントの決勝に行けた。他のみんなもそう、賞レースの決勝に行っている。若手の登竜門というか、いいのが憑(つ)いている感じがする」。林田は「ぼくはあまりホラーが得意じゃないけど出させていただいた。ぜひ、映画館で怖さを共有してください」と話した。