米大統領首席医療顧問を務めるファウチ国立アレルギー感染症研究所のファウチ所長が、米ラッパーのニッキー・ミナージュ(38)がSNSで新型コロナウイルスのワクチンに関する誤情報を広げているとして、米CNNテレビのインタビューで警告した。 

ミナージュは13日に米ニューヨークで行われたファッションの祭典メットガラをワクチン接種が義務化されていることを理由に欠席したことをSNSで明かし、その後のツイートでいとこの友人がワクチンを打ったことで勃起不全になったと投稿していた。

ファウチ所長は、ワクチンの副反応によって不妊や勃起不全を引き起こすという証拠も構造的理由もないと反論。多くのフォロワーを持つ影響力がある人物が、SNSで陰謀説を広げていることに警告を鳴らした。本人は罪の意識がないのかもしれないと前置きしたうえで、SNSで情報を発信する前にその内容について慎重に考えるべきだとコメント。SNSでワクチンに関する多くの誤情報が拡散されている現状を危惧した。

ミナージュは、ワクチンの安全性についてまだ調査中だと語り、自ら十分に調べて納得してから打ちたいとツイートし、反ワクチン派ではないことをにおわせていた。しかし、その後の投稿ではいとこの友人が接種後に睾丸(こうがん)が腫れ、数週間後に結婚を予定していた恋人から式をキャンセルされたと投稿し、自らの決断に納得してから打ってとファンに呼びかけていた。(ロサンゼルス=千歳香奈子)