音楽家の坂本龍一(69)が21日、インスタグラムを更新し、ミュージシャンの小山田圭吾が過去の“いじめ告白”に関する経緯を説明し、あらためて謝罪したことについて、自身の思いをつづった。

坂本は「小山田くんの文章、やっと読めました」と、小山田が17日、自身の公式サイトに掲載した謝罪文に言及。「読みながら少し泣けてしまった。なかなかこれほど真摯な文章は書けるものじゃない。よほど自分の心の中を曇りなく隅々まで見ないと」と私見を述べ、「今後どんな音楽が生まれてくるのか、気長に待ってます」とつづった。

小山田は今回、公式サイトを通じ、音楽雑誌に掲載されたインタビュー記事の内容や、同記事をめぐる報道に言及。「『同級生に排泄物を食べさせた、自慰行為をさせた』といった内容については、私が行わせたり、示唆や強要をしたといった事実は一切ありません」と否定し、「1994年当時、半生を語るというロングインタビューのなかで、学生時代の様々な出来事を語った際、上記のような目撃談など、強く記憶に残っていたことを語ってしまいました」と釈明した。

また、知的障害がある生徒に対し「障がいがあることを理由に陰惨な暴力行為を長年に渡って続けた」などと一部で報じられるなどしたことについても、「そのような事実はありません」と否定した。しかしその一方で、「小学生の頃、転校生としてやってきた彼に対し、子どもの頃の自分やクラスメイトは、彼に障がいがあるということすら理解できておらず、それ故に遠慮のない好奇心をぶつけていたと思います。今にして思えば、小学生時代に自分たちが行ってしまった、ダンボール箱の中で黒板消しの粉をかけるなどの行為は、日常の遊びという範疇を超えて、いじめ加害になっていたと認識しています」とした。

インタビューを受けた当時について、「24歳~25歳頃の私は、かつて所属していたバンドを解散して、ソロでの活動を始めた時期でした。当時は、自分に対してなんとなく定着してしまったイメージを破り、露悪的なキャラクターを演じることで世間からの見られ方を変えようとしていました。過剰で自虐的なリップサービスを必要以上に行うことで、世間との距離を取ることを意識していました。自分の作品に対する自信のなさも、そういった言動の原因になっていたと思います」と振り返るとともに、「長い時間が掛かってしまいましたが、あらためてこれから、自分の過去の言動やこれまでの態度を反省すると共に、社会に対してどのようなかたちで関わり、貢献していくべきかを個人としても音楽家としても、今まで以上に視野と意識を広げて考え、行動に移していきたいと思っています」とした。