乃木坂46が10月26日から3日間、東京・TACHIKAWA STAGE GARDENで、「乃木坂46 28thSG アンダーライブ」を開催した。12月12日をもって卒業する2期生の寺田蘭世(23)にとってラストライブとなった。一方で、恒例のアンダーライブに今回から初めて4期生が加入。新世代の光を感じさせた。

まず、背の高いメンバーの多さが印象的だった。出演した17人の平均身長は160・9センチで、ライブ関係者は「アンダーライブ歴代で一番高いのではないか」と話した。中盤の「Another Ghost」では、1期生の和田まあや(161センチ)3期生の阪口珠美(161センチ)とともに、4期生の金川紗耶(165センチ)と松尾美佑(167センチ)がパフォーマンスを披露。スラリとしたスタイルの良さを生かし、ダンサブルナンバーに挑んでいた。

4期生には、昨年4月からファッション誌「Ray」の専属モデルに抜てきされた金川をはじめ、高身長でスタイルの良いメンバーが多く、特にクールな楽曲も多いアンダーライブでは、演出の幅も広げていたように感じた。

ダンスだけではない。中盤の「遠回りの愛情」では、3期生の中村麗乃、伊藤理々杏とともに登場した4期生の柴田柚菜、林瑠奈、弓木奈於も高い歌唱力を発揮。ソロパートでも力強い歌声を披露していた。佐藤璃果や矢久保美緒のようなキュートな魅力を持つメンバーもおり、北川悠理や弓木、林のような個性的なキャラクターがそろう。4期生の加入で単純に若返っただけでなく、パフォーマンスもMCも、ライブ全体で厚みを増していた。

時に歯に衣(きぬ)着せぬストレートな発言でファンの話題を呼んできた寺田は、以前から後輩たちに向けて「もっと自分の個性を出してもいいと思う」と呼び掛けていた。日刊スポーツの連載「坂道の火曜日」の取材でも「乃木坂に憧れて乃木坂に入って来た子たちは、清楚(せいそ)でいなきゃとか、おとなしくいなきゃとか思い過ぎちゃっている部分があると思う。先輩の見よう見まねじゃなくて、もっと自分を出してほしいなって願っています」とエールを送っていた。

乃木坂46では寺田のほかにも1期生の高山一実や生田絵梨花ら、一時代を築いたメンバーが卒業を発表している。一方で今年の夏から新メンバーオーディションも開催され、年内にも5期生たちが加入する予定となっている。過渡期の乃木坂46で、グループの根強い人気を支えてきたアンダーライブも新時代に突入した。今後も新たな個性がステージで育っていきそうだ。【横山慧】