来秋スタートの次々期NHK連続テレビ小説「舞いあがれ!」ヒロインに決まった女優福原遥(23)が25日、制作のNHK大阪拠点放送局で会見。白いワンピースで、目にはうっすら涙が光る。感極まった様子で話し始めた。

「すごく、本当に、うれしい。私にとって朝ドラは小さい頃からあこがれて、勇気、パワーをもらってきて、いつか届けられたら…と思って、ずっと夢見ていました」

2545人のオーディションを4次審査まで勝ち抜き、ヒロインに決定。今回が朝ドラ4度目のオーディションで、初めて最終審査へ進んだ。2週間ほど前に合格を聞いたと言い、その時も涙。「でも、本当かな? と思っていて。今日、打ち合わせなどをしていて、じょじょに実感がわいてきて、感動してしまいました」と照れながら、この日の涙は「うれし涙です」と言い、笑顔を弾けさせた。

ヒロイン像への共感も抱く。「逆風に負けない、前へ前へ進む女の子。似てるなと…。自分自身もあきらめないでやってきた。そういう部分は、ちょっと似てるかな」と照れた。

7歳で芸能界デビューした福原は、仕事と学業の両立に悩みながら、成長してきた。「学校でちょっと悩んだり、将来の進路とか…どう両立するかとか…。これから何ができるのかな? とか…」。そんな当時、朝ドラのヒロインに勇気づけられたという。

中でも、最も感銘を受けたのは、井上真央がヒロインを演じた11年度前期「おひさま」。福原は「どんなにつらいことがあっても、笑顔で逆風を切り開いていく。そんな姿を見て、いつか私も皆さんに笑顔と勇気を与えたいと思っていました」と感慨深げに振り返った。

今作は空とパイロットにあこがれを抱き、夢を追うことを諦めないヒロイン・岩倉舞の物語。時代は90年代から現在、ものづくりの町として知られる大阪府東大阪と自然豊かな長崎・五島列島が舞台となる。パイロットを志すも、厳しい現実に直面し、新たな形で空への夢を見つけていく。

この日、制作スタッフと打ち合わせも終え「めちゃくちゃ、愛のある現場」と感じた。例年、10カ月に及ぶ長丁場の収録に臨むことになるヒロインの仕事。これには「体力はばっちり。自信あります。ご飯たくさん食べて備えています」。20年後期「おちょやん」の杉咲花とは、同じ事務所だが「まだお会いしてないんです」と言いつつも、会えばヒロインの心得を聞くつもり。セリフの大阪弁も勉強中で「大丈夫です」と頼もしく返した。

そんなヒロインに制作統括の熊野律時チーフプロデューサー(CP)は「強く照らす明るさというより、あったかい、ひたなぼっこのような柔らかい明るさ。その場にいるだけで、ふわっと光がさすような存在」とし、ヒロインに決定。福原抱く“朝ドラ・ヒロイン”へのあこがれ、思いは「本物」だと実感したとも話していた。

今後は収録準備を進めていき、来年春ごろから収録開始の予定。

 

◆福原遥(ふくはら・はるか) 1998年(平10)8月28日、埼玉県生まれ。05年に子役としてデビュー。Eテレの子供向け料理番組「クッキンアイドル アイ!マイ!まいん!」の「まいんちゃん」役で注目を集める。声優としても活動し、17年アニメ「キラキラ☆プリキュアアラモード」に出演。映画は19年「賭ケグルイ」、21年「かぐや様は告らせたい~天才たちの恋愛頭脳戦~ファイナル」などに出演。ドラマは20、21年テレビ東京系「ゆるキャン△」シリーズ、21年日本テレビ系「アンラッキーガール!」などに主演。