昨今の芸能界ではマルチプレーヤーの活躍が目立つ。演技や声優業、ダンスに歌と、多岐にわたって器用にこなす人材が多く出てきているように感じるのだ。 俳優の近藤雄介(29)もその1人。現在放送中の日本テレビ系ドラマ「アンラッキーガール!」(木曜午後11時59分)や、7月期のTBS系ドラマ「プロミス シンデレラ」のほか、11月は元欅坂46今泉佑唯の主演舞台「修羅雪姫」に出演。声優としても大ヒットアニメ映画「竜とそばかすの姫」や、アニメ「理系が恋に落ちたので証明してみた。」などで好演し、千葉テレビの情報番組「踊る!チバテレYAGURA」ではレギュラーとして番組を盛り上げている。

このほかラジオの冠番組も持ち、CDデビューも果たすなど活躍の場は多岐にわたる。コロナ禍の影響も受けたが、21年は俳優として映画4本、ドラマ5本に出演。近藤は「事務所や周囲の方々の支えがあって今の活動につながっています。自分はそれに応えられるように頑張るだけ」と謙虚に語る。

大学卒業後に業界入り。初めは小劇場の舞台などに出演して経験を積んだ。18年末に声優事務所のクロコダイルに所属したことをきっかけに声優業にも本格挑戦。今は同事務所と業務提携を結びながら、俳優部門であるアリゲーターに籍を移して活躍の幅を広げてきた。

今はオンライン配信やSNSなどの普及で表現の場も増えてきている。近藤も個人ではツイッターで発信を続ける傍ら、作品でも今年は、ひかりTVオリジナルドラマ「ボーダレス」に出演するなど、テレビや舞台以外での活躍も多かった。こうした環境の変化については「ポジティブにとらえています」と話す。「もともと俳優や声優、ラジオにバラエティーといろんなお仕事をさせていただいていましたし、どんな現場でもやることの根本的な部分は変わっていません」。

修羅雪姫では今泉演じる雪が旅の道中で出会う3兄弟の長男、辰を好演。身長182センチのスラリとした立ち姿は舞台上でも映えており、アドリブパートでは軽妙なボケで観客の笑いも誘っていた。役を選ばない硬軟併せ持つマルチプレーヤーとしてじわじわと名を広めており、関係者によると、来年以降の出演オファーはこれまでよりも増えているという。

来年で30歳。目標は「息の長い役者になること」だ。「年齢や経験を重ねるごとに演じられるものの幅も広げていかないといけないと思っています。感謝の心、そして初心を忘れずにやっていきたい」。表情を引き締め、節目の年を迎え入れる。【松尾幸之介】

◆近藤雄介(こんどう・ゆうすけ)1992年(平4)10月11日、大分県生まれ。学生時代は野球一筋で、東京国際大時代は主将も経験。卒業後に俳優の道へ進み、19年の出演映画「東京ワイン会ピープル」はモナコ国際映画祭でアンサンブル・キャスト賞とインディペンデント・スピリット賞を受賞。InterFM897「ライトプレゼンツ ゴルフ一刀両断」にレギュラー出演するほか、21年は舞台「フラガール-dance for smile」や映画「ある用務員」などに出演。趣味は料理、ゴルフ、歯磨き。182センチ。血液型O。