お笑いコンビ・ナイツが7日、東京・浅草フランス座演芸場東洋館で行われた、Netflixの映画「浅草キッド」(劇団ひとり監督、9日配信)配信記念イベントの冒頭で漫才を披露した。土屋伸之(43)が、ダブル主演の柳楽優弥(31)演じるタケシを誘い、漫才コンビ「ツービート」を結成するフランス座の元先輩のキヨシを演じた。この日は、出演していない相方の塙宣之(43)が司会を担当。2人は、Netflixで配信され世界的に話題を呼んだ韓国ドラマ「イカゲーム」や、救急車を蹴ったとして器物損壊の疑いで11月28日に警視庁に現行犯逮捕され、処分保留で釈放された歌手鬼束ちひろの件に、人気アニメ「鬼滅の刃」を絡めたネタで場内を笑わせた。

まず塙は「イカゲーム」を引き合いに「僕も昔からNetflixに入っている。今年は『イカゲーム』が、すごかった」と口にした。その上で「元々、日本でやっていたのが韓国でリメークされた。僕、出ていたからね。青いジャージーを無理やり着せられ、無理やり運動させられた。イカゲーム!!」とボケた。すると、土屋は「それ『アメトーク』だろっ!! 運動神経悪い芸人でしょ、あれ?」と突っ込んだ。

さらに、塙は「Netflixだとアニメなんか、好きで見るんですよ。やっぱり最近だと“メツキのヤバい”ですか? ですか?」とボケた。土屋から「『鬼滅の刃』だろ! 目つきのヤバい鬼は出てくるけど」と突っ込まれると「目つきのヤバい人が救急車を蹴る話じゃないですか、無限救急車編?」と20年10月に公開され、興行収入403億円を突破したアニメ映画「劇場版 鬼滅の刃 無限列車編」に引っかけて、ボケた。

塙は、土屋から、さらに「鬼束ちひろだよ、それ! 出てこないんだ、そっちの鬼は! 無限救急車編、やってねぇ」と突っ込まれると、笑みを浮かべた。そして「鬼滅の刃」の主人公竈門炭治郎(かまど・たんじろう、アニメの声=花江夏樹)らが使う呼吸を引き合いに「蹴りの呼吸」と口走った。土屋から「蹴りの呼吸って、それはただの暴力だろうよ!」と突っ込まれと、炭治郎の最強の敵「鬼舞辻無惨(きぶつじむざん)」に引っかけ、器物損壊を「きぶつじはそん」と言い、してやったりの笑みを浮かべた。

「浅草キッド」は、ビートたけし(74)の自叙伝「浅草キッド」を、14年の映画「青天の霹靂」で原作、脚本に加え監督デビューも果たした、劇団ひとり(44)が映画化した。昭和40年代の東京・浅草を舞台に、大学を辞めてフランス座のエレベーターボーイをしていたタケシ(柳楽優弥)は、数々の人気芸人を育ててきた深見千三郎(大泉洋)に弟子入りを懇願。ぶっきらぼうだが、独自の世界観を持つ深見からタップダンスやコントの技術、裏方としての進行、「笑われるな、笑わせろ」といった芸人の矜持に至るまで、「芸ごと」の真髄を叩き込まれていく。

「芸人だったらいつでもボケろ」という深見の教えに従い、弟子として行動を共にする中で笑いのセンスを磨くタケシは、歌手を目指す踊り子の千春(門脇麦)や深見の妻・麻里(鈴木保奈美)に見守られ、飛躍的に成長。だが、テレビの波に押され、フランス座の客足は減り、経営も悪化していく中「外で勝負したい」と考え始めたタケシは、フランス座の元先輩のキヨシ(土屋伸之)に誘われ、漫才コンビ「ツービート」を結成。猛反対を押し切って深見の元を飛び出し、徐々に人気を獲得していく。その一方、時代の流れの中で苦境に立たされる深見。そんなある日、対照的な師匠と弟子の運命が再び交錯する物語。