女優井上百合子(26)窪塚俊介(40)らが18日、都内で、映画「わが青春つきるとも-伊藤千代子の生涯-」(桂壮三郎監督、今春公開予定)の製作発表会見に出席した。

同作は、1920年代の活動家・伊藤千代子の生涯を描いた物語。

治安維持法による弾圧があった時代に、戦争に反対し、ジェンダー平等・社会変革に挑んだ伊藤役を演じた井上は「監督にオーディションで選んでいただいて、1年。濃密なんですけどとてもはやくて、ここに座っているのが夢のようで不思議な気分」と笑顔を見せた。映画初主演だといい「私自身も撮影してできあがった映像というのをみていなくて、今まで1年、時間をかけて頑張った時間が、とても良い映画として、成果に表れているといいなというのが今の私の思いではあります」と胸の内を語った。「大先輩の皆様に支えていただきながら、伊藤千代子さんの役を演じられたかなと思います」と周囲に感謝した。

見どころを問われると、「1人の人間としての伊藤千代子さんの、夫であったり友人であったり、親と話す中で、結局はその時代の中で亡くなっていったという1人の女性がすてきに映っていると良いな」。

伊藤千代子の夫である浅野晃役を演じた窪塚は、井上について「ぼくが自分の立場を棚に上げて言わせてもらえれば」と断りつつ「(井上は)一生懸命、ワンシーンワンシーンごとに取り組まれておりますし、クランクイン前にリハーサルでお会いしたときに、セリフ全部入っていましたし、本読みっていうことで集まったときも彼女だけ本を置いていましたし、本当にお芝居に対して、しっかりちゃんと向き合っていた」とその姿勢を絶賛。「役の中だけでなく、すごく良いパートナーという位置にいてくれた、本当にすてきな女優さんだと思います」と評価した。

井上とともに、役作りとして劇中の時代の政治や文化などを徹底的に調べ上げたという。「伊藤千代子っていう役はジャンヌ・ダルクのような人物。こういう方がいたと知れただけで勇気がもらえた。(コロナで)分断している世の中で、個人個人の思いだったり、そういうことが井上さん演じる伊藤千代子を見ることによってもしかしたら気づけるのかなっていう気もします」とアピールした。

桂監督、竹下景子、印南唯、宜野座万鈴、塚瀬香名子、原作「時代の証言者 伊藤千代子」の著者藤田廣登氏も出席した。