帰国中の警備を巡って英政府と対立しているヘンリー王子(37)が、昨年4月9日に逝去した祖父であるフィリップ殿下の一周忌の礼拝に参列するため帰国する準備があると米ニューヨーク・ポスト紙が報じた。

2020年3月末に王室を離脱したヘンリー王子は、家族の身の安全を理由に英政府に対して私費で英国滞在中の警察による警護を求めたが拒否され、撤回を求めて英政府を提訴。18日からロンドンの高等法院で審問が始まっている。

「警察による警護がなければ身の危険があるため帰国できない」と主張しているヘンリー王子だが、3月29日に執り行われるフィリップ殿下の一周忌にはエリザベス女王やチャールズ皇太子夫妻、兄のウィリアム王子をはじめ王室メンバーがそろって参列するため、国家レベルの厳格なセキュリティー体制が敷かれ、それによって自身の身の安全も確保できると考えているという。

一方で、妻のメーガン妃や長男アーチー君(2)と昨年6月に誕生した長女リリベットちゃんら家族を同行する可能性は低いと伝えている。

新型コロナウイルスに感染したことが公表された祖母のエリザベス女王は95歳の高齢で、米カリフォルニア州で生まれたリリベットちゃんとはいまだ直接対面を果たしていないことから、一家そろって家族に会うため帰国を希望しているとされる。

今夏にはエリザベス女王在位70周年の祝賀行事も控えており、家族を連れて帰国するのかも注目される。しかし、王室を離脱した王子は警察による警護を受ける特権を失っており、英政府の弁護士は「警察による個人の警護は私費でまかなえるものではない」と述べ、議論の余地はないとヘンリー王子の申し出を一蹴し。帰国は不透明な状態になっている。(ロサンゼルス=千歳香奈子)