作家西村京太郎さんの訃報を受け、女優山村紅葉(61)が6日、文書を発表し悼んだ。紅葉の母で96年に亡くなった作家、山村美紗さんと西村さんは長く親交があり、紅葉も十津川警部シリーズなど、西村さん原作ドラマに数多く出演した。

紅葉は「エッ! こんなに早く亡くなるなんて! とショックを受けましたが、91歳だったことにむしろ驚いてしまうほど、無邪気で少年のような感性を持った方でした」とした。

西村さんが湯河原に建てた家を訪問した時のことなどを振り返り「先生が『早くベランダに! 3種類の列車が走っているのが見られるんだよ。あと2分後に!』とおっしゃって列車の種類などを説明してくださった時の満面の笑みは今でも忘れられません。新幹線の形のペットボトルをお土産に差し上げると『新型車両だね』とながめていらっしゃいました」と話した。

西村さんと美紗さんは、同業者というだけでなく、親友で同志、家族ぐるみの付き合いを続けた。京都にいたころは共同で旅館を購入し、隣に住んでいた。96年に美紗さんが亡くなった後、未完の遺作「在原業平殺人事件」を西村さんが完結させた。紅葉は「新メニューのお料理に『山村(美紗)さんは、こういうのすぐトリックにしちゃうんだよね』などいつも母の思い出話をしてくださいました」と話している。

紅葉は西村さんへの感謝を語る。「先生の原作のサスペンスに数多く出演させていただき、日本国中のたくさんの列車に乗せていただきました。『サスペンスの裏女王 山村紅葉』と呼んでいただけるようになったのは西村先生のおかげです。もっとお目にかかってお話うかがいたかったのに残念です。天国からたくさんの列車が見渡せますように! ご冥福をお祈り申し上げます」と追悼した。

▽内藤剛志(66) 十津川警部シリーズを演じさせていただいたことはとても名誉なことです。作品の中でもご一緒させていただいたこと、素晴らしい時間を過ごさせてもらいました。(17~19年TBS系「十津川警部シリーズ」主演)

▽船越英一郎(61) 「君の芝居には刑事である前に人間が見える」と言っていただいたお言葉は私の糧であり宝物です。心よりご冥福をお祈り申し上げます。(テレビ東京系「十津川警部の事件簿」主演など、数多くのシリーズ作に出演)