嵐の二宮和也主演のTBS系連続ドラマ、日曜劇場「マイファミリー」(午後9時)が好調だ。脚本家・黒岩勉氏の完全オリジナルストーリーで、予想のつかない展開に多くの視聴者が引き込まれている。「マイファミリー」はいろんな好条件が絡み合い、見どころの多いドラマとなっている。

言うまでもないかもしれないが、二宮和也はジャニーズきっての演技巧者だ。クリント・イーストウッド監督の「硫黄島からの手紙」(06年)に出演した際にはロサンゼルス・タイムズ紙が彼の特集記事を組んだし、左利きにもかかわらず「ラストレシピ」(17年)では右利きの人物を当たり前のように演じている。

一方、脚本の黒岩勉氏はこのところ、主演俳優が生き生きする当て書きでヒット作を生んでいる。

昨年の「TOKYO MER」がその典型で、エネルギーの塊のような鈴木亮平(39)の熱演が、現実離れしたスーパーな救命医にリアリティーを生んだ。多様なキャラクターをそれぞれ真っすぐに育てたいジャニーズ事務所とのタッグが多い理由かもしれない。

今回はまさにその当て書きで、自他共に認めるゲーマーの二宮がゲームソフト会社のCEOに一分の隙も無くはまっている。

共演の那須雄登(20=ジャニーズJr.美少年)からは「リラックスモードから本番に入る時の瞬発力に、改めて二宮さんのすごさを実感しました」と収録現場の雰囲気を聞いた。

刑事役の玉木宏(42)といい、キーマンはことごとくはまっていて、配役がしっかりしているから予想を覆す展開も無理なく楽しめる。

ドラマは第3話(24日放送)の身代金受け渡しで早くも最初のヤマを迎えている。億単位の札束の重さがリアルで、「誘拐」(97年)で渡哲也が流した汗や息づかいを思い出す。誘拐犯と被害者家族が一時的に結託して警察を欺く展開に、ゲームソフトをうまい具合に絡ませ緊張感がある。今後は犯人捜しを巡るやりとりに、会社買収や家族の内外の葛藤も絡むのだろうか。息をのんでいる。【相原斎】

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