斎藤工(40)と長澤まさみ(34)が2日、都内で行われた主演映画「シン・ウルトラマン」(樋口真嗣監督。5月13日公開)完成報告会で、撮影では演技と並行し自ら撮影も行う、異例の新体験をしたと振り返った。

斎藤は劇中で、、防災庁の禍威獣(かいじゅう)特設対策室専従班、通称・禍特対(かとくたい)の作戦立案担当官でウルトラマンになる男・神永新二を、長澤は神永の相棒の分析官・浅見弘子を演じた。トークの中で、撮影中の印象的な出来事としてカメラの台数が多かったことに話題が及んだ。

禍特対の班長・田村君男を演じた西島秀俊(51)が「スマホだけで6台くらいあった」と振り返ると、長澤が「全部で17台」と明確に説明。西島は「記録さんが、何をどう記録していたのかが分からない。尾上さん(克郎准監督)が『何か、撮ってるから』って…。すごい人たちが結集し、この角度から撮りたいという画を多分、撮っていらっしゃる。なぜか(メインの)A、Bカメラがどいちゃう時がある。最先端の撮影現場…みんなの想像が自由に出せる場に今、いるんだと感じ、毎日、楽しくてしょうがなかった」と振り返った。

話の流れの中で、斎藤と長澤には撮影中、演じながら自らカメラを回したことについて司会から話が出た。斎藤は「初めてでした。演じることと撮影の2層になっている。長澤さんにカメラを回していただいている時に、芝居で感情を前にぶつける時、撮影したら、こうなるんだと」と振り返った。齊藤工名義で、映画監督としても活動するだけに「カメラの後に演者さんが、お付き合いで…という位置関係は、よくあるけれど、演者さんに向かって撮影している、ある種の合理性を感じた」と感慨深げに語った。

長澤は、撮影がとてもうまかったと評判だったと話を向けられると「本当ですか?」と照れ笑いを浮かべた。その上で「出来るからという言葉を信じてやったから、うまく撮れたのかも知れません」と語った。

樋口真嗣監督(56)「回せるだけ回す。材料は多い方が良いという考えを元に」と説明した一方で「お芝居に集中する環境を奪っていたというわけですよね。配慮が足りない?」と反省した。それを聞いた斎藤は「そんなことはない。好奇心にあふれた」、長澤も「楽しかった。良い経験させていただきました」と、すかさずフォローした。それを聞き、同監督は「こういう映画にしたいという画はあるけれど、演じている人の目線で見ると、こうなるんだ…と。結構、目線が強い。撮れたのは、非常に大収穫でした。あれはいいですよ。視点で見え方が変わってくる…皆さんには大変な思いをさせましたけれど、それに見合った何かは、僕らはいただいたなと思うんで」と意義を強調した。

「シン・ウルトラマン」は、興行収入82億5000万円を記録した16年の映画「シン・ゴジラ」総監督の庵野秀明氏が企画と脚本を務め、同作監督の樋口真嗣氏が引き続き監督を務める。次々と巨大不明生物「禍威獣(かいじゅう)」が現れ、その存在が日常となった日本。通常兵器は全く役に立たず、限界を迎える日本政府は、禍威獣対策のスペシャリストを集結した禍威獣(かいじゅう)特設対策室専従班、通称「禍特対(かとくたい)」を防災庁に設立。禍威獣の危機が迫る中、大気圏外から突如、銀色の巨人が現れる。巨人対策のために、新たに配属され、神永の相棒となった分析官・浅見による報告書には【ウルトラマン(仮称)、正体不明】と書かれていた。