河瀬直美監督(52)が手掛けた、21年の東京五輪公式記録映画「東京2020 SIDE:A」(6月3日公開)完成披露試写会が23日、東京・TOHOシネマズ六本木ヒルズで行われた。

完成披露試写会前から、TOHOシネマズ六本木ヒルズ前には

「東京2020オリンピック公式映画やめろ!!」

「中止だ中止」

「OLYMPICS KILL THE POOR」

などと書かれた横断幕を掲げた、反対派が映画の中止を声高に訴え、周辺には、ものものしい雰囲気が漂っていた。

そうした中、東京五輪・パラリンピック組織委員会の前会長、森喜朗元首相(84)が21年2月に同職を辞任する際、後任に推すも受諾しなかった日本サッカー協会元会長で選手村村長の川淵三郎氏(84)、事務総長を務めた武藤敏郎氏(78)ら、大会関係者が足を運んだ。

森氏はスクリーンに入場し、階段を上ると、客席から視線を一身に浴びた。すると「みんなが見てるじゃん」と口走り、会場を笑わせた。

「東京2020 SIDE:A」は選手を中心とした関係者、6月24日公開の「-SIDE:B」は大会関係者、市民、ボランティア、医療従事者ら非アスリートたちを描いた。その異なる視点からの2作品を製作し、連続公開する。

河瀬監督は、18年秋に監督に就任し、20年開催予定の大会に向け取材を続けたが、コロナ禍で1年延期。そのことを受け、昨年7月の開幕前にバッハ会長に2本立て構想を提案。総記録時間は5000時間に及び「編集が終わりません」と現状を明かしていた。

映画では、コロナ禍で開催に反対する声があり社会が分断したこと、森喜朗氏が女性蔑視発言で組織委会長を辞任した件も触れる。「-SIDE:A」の冒頭には、同氏も登場する。