俳優水谷豊(69)が監督を務めた映画「太陽とボレロ」(3日公開)で映画デビューを果たす女優森マリア(22)。20年テレビ朝日系連続ドラマ「24 JAPAN」で仲間由紀恵の娘役を演じ、話題となった注目株。主演の檀れい、石丸幹二、町田啓太ら実力派俳優がそろった「太陽とボレロ」の中で、けなげなバイオリン奏者役を好演している。このほど日刊スポーツの取材に応じ、映画デビューや自身のキャリアについて語った。2回にわたってお届けする。【佐藤成】

<後編>

女優を志したのは小学低学年だった。「幼稚園くらいの時にプリンセスになるのが夢で、ずっとプリンセスになりたいっていっていた。小学生に上がって、周りからプリンセスにはなれないっていう現実を突きつけられて、ショックを受けていたら、『魔法にかけられて』っていう映画をみて、『女優さんならプリンセスになれるかもしれない』って思って。小学2年生くらいからずっと女優さんになりたいと思っていました」。

中学3年のときに、知り合いの紹介で地元・神戸のフリーペーパー「美少女図鑑」に掲載されることになった。それが現事務所の目に留まり、スカウトされ、高校2年で、本格的に事務所に所属。大学で上京したのを機に東京での芸能活動をスタートした。

大学は、芸術学科で学んだ。コロナ禍でリモート授業が増えたこともあり、仕事との両立が可能となった。「『太陽とボレロ』の撮影中も授業を受けていました」と振り返った。

今春に卒業。周囲が社会人になったタイミングで、自身も映画デビューというキャリアの1ページを加えた。「事務所入った時から大学卒業後も仕事を続けるっていう気持ちで東京に来たので、就職する気は無かったんですけど、どうしても周りが就職活動していると不安な思いもあったんですけど…。やっぱり、そういう気持ちで地元を出てきたので、やれるところまでやりきらないと終われないっていう気持ちです」と力強く語った。

当初は、「プリンセスになりたい」という思いで女優となったが、続けていく中でさまざまな思いが芽生えてきた。「いろんな現場に携わっていくと、どんどん恩返ししたい人が増えていく。今回だったら水谷監督に使ってもらったので、活躍して恩返ししたいなって思うと、いつまででも続けたいなって思います」。

自身の武器を問うと、「人柄でもいいですか?」と断りを入れ「愛嬌(あいきょう)です! ははは。年齢関わりなく、いろんな人とお話しするのが好きなので、相手に失礼なんじゃないかなって思うこともあるんですけど、あんまり気にすることなくお話ししています」と屈託のない笑顔で答えた。

憧れる人を問うと、意外な答えが返ってきた。「小さい頃から憧れる俳優さんって男性が多かったんです。トム・ハンクスさんとか渥美清さんとか、クリント・イーストウッドさんとか」。続けて「男性の俳優さんのダイナミックさと女性の持つ麗しさ、優雅さを両方持った女優さんになりたいなって思います」。唯一無二の女優への道を突き進む。

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