女優奈緒(27)が10月期の日本テレビ系水曜ドラマ「ファーストペンギン」(午後10時)で民放GP帯(午後7時~同11時)の連続ドラマ初主演を務めることが26日、分かった。ひょんなことから港の漁師たちのボスとなり、古き慣習を打ち破って改革を進める若きシングルマザー、岩崎和佳役を演じる。

同作は、23歳で2歳の息子を育てながら全く知見のない漁業の世界へ飛び込み、魚などを市場を通さず、直接消費地へ販売するシステムなどを確立した坪内知佳氏の実話がモデル。脚本は「白夜行」「天皇の料理番」など多数の人気ドラマを手がけてきた森下佳子氏が担う。

奈緒は「主人公の何事も諦めない、ヒーローみたいにタフなところに、いつか自分がなりたいと思っていた姿が重なりました」といい「大きな波を起こす人なので、自分の中でまたひとつ、新しいギアを手に入れて演じなきゃいけないところはあるかなと感じています」と意気込んだ。

脚本の森下氏が日テレ水曜ドラマ枠を担当するのは20年ぶり。初タッグには「とても光栄です」と喜び「どんな言葉やセリフが紡ぎ出されるのか。台本を受け取るのがすごく幸せだなあと今から思っています。新しく化学反応が起きるような挑戦ができたらいいな」と語った。

タイトルにもなったファーストペンギンは、臆病なペンギンの群れの中で、最初に海に飛び込む勇気ある1羽を指した言葉。奈緒は「ぜひ『ファーストペンギン』のような主人公を、ハラハラドキドキと見守っていただけたらうれしいです」と力を込めた。モデルとなった坪内氏とも連絡を取り合ったといい「お話をしたり、メールでやりとりをさせていただく中で、私自身が感じた、坪内さんの『すてきだなあ』と思うところや、漁師の皆さんの気持ちを大切にできたらいいなと思います」と気を引き締めた。

脚本の森下氏もコメントを寄せた。坪内氏のことはバラエティー番組で取り上げられた姿を見て知っていたといい「大笑いをしておりました。もう単純に面白かったから」と明かした。それでも脚本執筆に向けて勉強を進めると「まあ、知らないことだらけで青くなるばかり」だったといい「日本の漁獲量の低下、漁師さんの減少、世界的な食糧危機の予測もある。私はかなり大事なお話を伝える役割を預かったのだ、とやっとこさ気がついたのでした」と振り返った。

その上で「実話のもつ力=坪内さんご自身の魅力と、それをきめ細やかに力強く表現してくださるに違いない奈緒さんのお芝居の力、この2つの確かな力を信じて、パワフルで見応えのあるドラマにしていきたい」と意気込み「皆様に(漁業の)現状を知っていただければ、未来はきっと良い方向に変わるはずだから」と締めくくった。

森雅弘プロデューサーによると、同ドラマは発案から4年を経て実現したという。森プロデューサーは「森下佳子さんがこのストーリーに取り組んでいただける事になった時、『ファーストペンギン』は羽ばたく決意をしました!奈緒さんの実力はもちろん、坪内さんにも通じる新しい時代の存在感が、ドラマをより希望に満ちたものにしてくれると確信しています」とつづった。