スーパーモデルのケイト・モス(48)が、90年代を象徴する米ファッションブランド、カルバン・クラインの下着の広告撮影で「信じられないほど不快な経験をした」と明かした。24日に出演した英BBCラジオで語ったもので、売り出し中の18歳の時に俳優マーク・ウォルバーグと共演した広告キャンペーンの撮影での体験を告白した。

問題の広告でモスは下着をつけただけのトップレスを披露している一方、上半身裸のウォルバーグはブリーフの上からバギージーンズを着用していた。マッチョなウォルバーグと対照的にイノセントな雰囲気のモスの共演は当時大きな話題となり、同広告はファッションとポップカルチャーの世界に大きな影響を及ぼし、90年代を代表する作品として知られている。

当時のウォルバーグはまだ俳優デビューはしていなかったもののラッパーとして人気を誇っており、周囲に取り巻きがたくさんいたとモス。「彼はマッチョで、全ては彼のためのものだった。私はただのモデルだった」と語り、良い思い出はないと明かした。

「(自身を)物として見なされていると感じた。私の脆弱(ぜいじゃく)性を利用していると思い、怖かった。(デザイナーの)カルバンは若くて純粋な私を愛していた」と当時を振り返った。撮影前は精神的に不安定となり、1、2週間ベッドから出ることができないほどだったと語り、医師からバリウム(下剤)を処方されたことなども明かしている。(ロサンゼルス=千歳香奈子通信員)