吉本興業の樺澤まどかマネジャー(27)が12日に、東京・よしもと有楽町シアターで4度目の単独公演「樺澤まどかの夏祭り~2022年上半期重大ニュースベスト10~」を行う。本業の傍ら、19年の吉本坂46加入をきっかけに公演活動も開始。インスタグラムのフォロワー数は約9万人に達し、今回も社員が同会場に単独で立つのは史上初ながらチケットは完売。二刀流を見事にこなす彼女に今の思いを聞いた。

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樺澤マネジャーの快挙が止まらない。初単独公演からわずか約1年。早くも4度目となる今回は、よしもと有楽町シアターで社員初の単独公演という形で実現した。芸人でも埋めるのは簡単ではない場所でチケットはすでに完売。社員として異例ずくめの活動を続ける中での反響に「幸せなことですけど、すごく不思議な気持ちもあります」と驚きも口にした。

現在、かまいたちととろサーモンのマネジャーを務めている。新人だった19年に当時現場担当についていた次長課長河本準一に誘われ、吉本所属タレントらで結成されたグループ吉本坂46の2期生オーディションを受け、社員で唯一合格。これが運命の分かれ道だった。ポテンシャルに気づいた先輩社員がステージ企画に公演を提案。見事通り、昨年6月に渋谷・よしもと∞ドーム2で初公演を開催した。

「聞いたのは企画の許可が下りてからで。『やるよ』って言われて。え、やばいじゃんってなりました」。もともと歌うことは好きで、高校時代はダンス部。未経験から人生で初めて作詞作曲した「卑屈のうた」などを披露し、ステージの素晴らしさにも気づいた。「お客さんが笑ってくれるのがうれしかったです。みんなが私の味方みたいな感じで、幸せ空間でした」。

インスタグラムも人気で、ディズニーランドを訪れた様子を6月に投稿すると、園内をめぐる姿がネット上などで「かわいい」と話題に。投稿を取り上げた記事はLINEニュースの急上昇ランキング1位にもなった。一気にフォロワーも約4万人増え、とろサーモン村田秀亮のフォロワー数(6.9万人)をぬいて約8.9万人(今月9日夕現在)まで到達した。

樺澤は「気まずくて(村田と)まだ話せてない」と苦笑いしつつ、各所で自身について触れてくれる担当芸人のアシストへの感謝も語った。「かまいたちや、とろサーモンが協力してくれているので。影響力はすごいなとあらためて感じています」。もともとお笑い好きで高校時代は吉本が8月19~21日に12年ぶりに開催するお笑いフェス「LIVE STAND」のテーマソングを着メロにしていた。「今回はステージ企画も担当します。仕事は表舞台1本でとかは考えてなくて、今後もマネジャーも頑張りたい」と力を込めた。

演者とマネジメントの二刀流。名が広まったことで芸人から話しかけられることが増えるなど「仕事の話がスムーズにできるようになった」と好影響も明かす。就活中の学生らからの反響もあり「私みたいなことも許してもらえる寛容で優しくて楽しい会社です。ぜひ興味があったら一緒に働きましょう」とメッセージも送った。【松尾幸之介】

◆樺澤マネジャーの単独ライブ 21年6月に初開催し、同11月に第2回、今年4月に第3回を実施。今回は第1回の約4倍となる約200人収容の、よしもと有楽町シアターで8月12日午後8時から行う。重大発表のほか、新曲やカバー曲などを歌うライブも予定。場内は完売したが、配信チケットは現在も販売中。

◆樺澤まどか(かばさわ・まどか)1994年(平6)11月15日生まれ、群馬県出身。早大先進理工学部から早大理工学術院を経て19年入社。大学ではロボット研究や科学技術を作ったアート作品制作などを行う。新人だった19年12月に吉本坂46(現在活動休止中)加入。21年11月には自身作詞作曲の「卑屈のうた」などを配信でリリース。趣味は漫画、アニメ、ゲーム、絵を描くこと。特技は創作ダンス。好きな食べ物は梅水晶。マンチカンの愛猫、恭介を飼っている。158センチ、血液型O。