21年8月19日に82歳で亡くなった、俳優の千葉真一さんを偲(しの)ぶ会が17日、都内で開かれた。千葉さんの日体大の後輩で、同大の松浪健四郎理事長(75)が取材に応じ、亡くなる約1カ月前に千葉さんから電話があり、大学を絡めた新作映画の製作を打診されたことを明かした。

「数年後、北海道で国際映画祭が開催される折に、出品する映画を撮ることが決まった。日体大が網走に支援学校(日本体育大学付属高等支援学校)を持っているけれども、学校も絡ませて映画を作りたい」という、当時の千葉さんからの打診の言葉を紹介。その上で「それが(生前)最後のお言葉でありました。鮮明に覚えており、うれしく思っており大変、残念」と悔いた。

さらに「一周忌を迎えるに当たって、偉大な先輩を思い出したい。大学の行事に熱心に参加し、大学の発展に寄与されたことに感謝したい。『日体大の後輩からスターを作りたい』と、おっしゃっていた。実現できないことを、申し訳なく思っております。お休み下さい…その言葉しかないです」と、千葉さんに送る言葉も口にした。

千葉さんが企画した、北海道で撮影する映画の進捗(しんちょく)状況を聞かれると「スポンサーになられる方とお会いしましたが、中心でやられた、ご本人が亡くなっており、頓挫したという認識でおります」と説明。「惜しい人を亡くしましたし、コロナを恨むしかない」と無念そうに口にした。