宝塚歌劇がEXILEらを擁するLDHとコラボした第2弾「HiGH&LOW-THE PREQUEL-」と、ショー「Capricciosa(カプリチョーザ!!)」の宙組公演が27日、兵庫・宝塚大劇場で開幕した。トップ約5年、男役の体現者にも近づく宙組トップ真風涼帆が、芝居では、ドラマなどで岩田剛典が演じたコブラを宝塚版として表現した。

後部座席に女性をのせ、ハーレーダビッドソンにまたがる。その一方で、抗争が続く中、幼なじみの女性の望みをかなえようと、コブラが寄り添う。開幕前の取材では、真風自身も「舞台化を聞いて、宝塚版として、どうなるのかワクワク、ドキドキしていた」と振り返っていた。

「HiGH&LOW」は、15年に連ドラとして日本テレビ系で初放送されシリーズ化。映画、ライブ、ゲームへと総合的に展開され、今回は、その作品群の前日譚(たん)として、舞台化。演出は野口幸作氏が務めた。

複数のグループが台頭し、青春群像劇の色合いがあり、「全員が主役」の側面も強い芝居を、トップ主演が決まっているスターシステムの宝塚で上演。野口氏も「まさか自分が…とは思いましたが、この(構想)1年、よりブラッシュアップしてきた」と話す。

真風がふんしたコブラ率いる「山王連合会」と、芹香斗亜がリーダーROCKYの「White Rascals」、桜木みなとがスモーキーの「RUDE BOYS」、瑠風輝の「達磨一家」、鷹翔千空が番長の「鬼邪高校」と、宝塚版でも5グループのドラマが描かれた。

この群像劇を、圧倒的な存在感を発揮する真風が締めた。小学時代の幼なじみカナと再会し、淡い思いを抱く展開では、バイクに乗り、浴衣姿で夏祭りへ。多様な“顔”を見せつつも、真風独特のノーブルさも堅持して、宝塚版「HiGH&LOW」を提示した。

カナは、トップ娘役潤花が好演。真風を頂点に、実力派の芹香、ダークな役も武器になった桜木に、瑠風や鷹翔も、それぞれが持ち場で輝きを発揮した。

ショーは藤井大介氏の作・演出で、イタリアを舞台にした作品。男役としての色気、大人の男らしい包容力を持つ真風が「イタリア随一のだて男」として多様な場面に挑戦。女役に臨んだ桜木との妖艶なダンスでも魅了した。

公演は宝塚大劇場で9月26日まで、東京宝塚劇場で10月15日~11月20日。