乃木坂46が8月31日、東京・神宮球場で「真夏の全国ツアー2022」千秋楽公演を開催した。結成11周年を迎えたエース齋藤飛鳥(24)ら1期生だけでなく、センターの4期生賀喜遥香(21)はじめ新世代が堂々とパフォーマンス。3年ぶりに舞い降りたグループの“聖地”で、3日間計10.5万人を熱狂させた。【横山慧、松尾幸之介】

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冒頭、賀喜が「神宮~! ツアーラスト、楽しむ準備できてんのか~!? 全部出し切れ~!」と叫び、この日リリースの新曲「好きというのはロックだぜ!」を披露した。3.5万人で埋まった客席は、ファンが回すタオルで真っ白になった。14年の初開催以来、19年まで毎夏恒例だった神宮ライブ。メンバーにもファンにも待望の、3年ぶりの“聖地”降臨だ。

今ツアーは、残り5人となった1、2期生がスタッフと話し合い、3~5期の後輩たち1人1人に見せ場があるような構成になったという。1期生の齋藤は「ぜひ1人でも魅力あるメンバーを見つけてください」と呼び掛け、「まだまだ私たちも負けません。私たちも含め、これからの乃木坂46をどうぞよろしくお願いします」とアピールした。

近接する国立競技場では、8月28日まで歌手矢沢永吉(72)がライブを行っていた。28日は乃木坂46がリハーサルを行っており、3期生山下美月(23)は「リハーサル中に矢沢さんのライブの曲が流れてきて、みんなテンション高かった。私たちもいつか国立でライブしたいです。皆さんを国立にお連れできるように、矢沢さんに負けないくらいの乃木坂のライブをお見せしたいです!」と宣言した。

終盤に賀喜がスピーチした。ファンやメンバー、スタッフらに感謝を伝えて「こんなに愛にあふれている場所、他にあるのか? ってくらい、この乃木坂46が温かくて。この場所をこれから先も守りたいです」と誓った。「本当に、私はこの愛の詰まった乃木坂46が大好きです。もう『乃木坂』って言葉を知っているだけでも大好きです!」と感情を爆発させ、涙した。

全国7都市15公演、計21万人を動員したツアーを締めくくった。ラストはキャプテン秋元真夏(29)が「先頭で走ってくれたかっきー(賀喜)をはじめとする後輩たちが、信じられないくらいまっすぐ前を向いて頑張ってくれた」と感謝。「ここから先も、皆さんが応援していて絶対に後悔させないグループになります!」と宣言した。卒業を控える樋口日奈(24)と和田まあや(24)も涙ぐんであいさつ。頼もしく成長した後輩たちとともに、結成11周年の夏を終えた。

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○…29日の初日公演アンコールでベンチ上から転落し軽傷を負った掛橋沙耶香(19)は大事をとって欠席した。秋元は掛橋の欠席を報告し「安全第一で皆さんも私たちも楽しめるライブを作っていきたいと思いますので、ご協力よろしくお願いいたします」と伝えた。ステージ上では同期の金川紗耶(20)らが、掛橋ら休演メンバーの名前が書かれたタオルを掲げる場面もあった。

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◆乃木坂46と神宮球場

▼12年8月10日 神宮外苑花火大会に登場。全体の2組目としてステージで「走れ! Bicycle」など3曲をショートパンツ姿で披露した

▼14年8月30日 初の神宮球場単独ライブを開催。休業していた生田絵梨花が復帰し、センターを務める「何度目の青空か?」を披露した

▼15年8月30、31日 オープニングで生駒里奈が「神宮~!」と叫ぶ名スピーチからスタート。ダブルアンコールでは当時のキャプテン桜井玲香が「どこにも負けないグループになります!」とスピーチ

▼16年8月28~30日 「裸足でSummer」で初センターを務めた齋藤飛鳥の「神宮~」。3日間中2日間が雨だった

▼17年7月1、2日 3期生にとって初の神宮球場。3、2、1期と順に登場してパフォーマンスし、中盤「設定温度」を歌ってからは全ライブに。初の東京ドームコンサート開催をサプライズ発表

▼18年7月6~8日 「シンクロライブ」と銘打ち、神宮球場と秩父宮ラグビー場で史上初の2会場同時ライブを開催。両会場をメンバーが行き来する異例の構成。3日間計18万人を動員した

▼19年8月30~9月1日 4期生が神宮ライブに初参戦。初代キャプテン桜井が卒業し、現キャプテンの秋元真夏にバトンタッチ

▼20年5月25日 コロナ禍で制作した楽曲「世界中の隣人よ」のMVが公開。無人の神宮球場が映し出され、ライブが開催されているようなCGが合成される演出も

▼22年8月29~31日 3年ぶりライブ開催