EXILE HIRO(53)が2日、タイ・バンコク市内の商業施設「サイアム・パラゴン」で行われた日本タイ修好135周年「バンコク日本博2022」のオープニングセレモニーに出席した。LDHにとっても、コロナ禍で行き止まっていた海外展開の”本格再始動”となるタイでの展開、そして世界へ。HIROに思いを聞いた。

今年5月、人気ラッパーのF.HEROが率いるタイの音楽レーベル「HIGH CLOUD ENTERTAINMENT」とパートナーシップを締結した。EXILE TRIBEのBALLISTIK BOYZとPSYCHIC FEVERの2グループが、現地で半年間、活動を行う。HIROも実際にバンコクを訪れ、熱気を感じた。

HIRO 元々、F.HEROさんとコミュニケーションを取る中ですごく期待して来たんですけど、それ以上に現地のスタッフの皆さんも全員ウエルカムに迎えてくれたので、すごく勇気をもらいましたし、確実に結果につながるという感じを、肌で感じることができたので、最高のスタートが切れたんじゃないかなと思います。

20年からのコロナ禍で、それまで行ってきたものばかりでなく、予定していた海外での展開も一時ストップしていた。

HIRO コロナ禍でいろいろ計画していたことがなくなってしまったり、止まってしまったりとか、正直嫌なことだらけだったんですけど、それがあったからこそ新しい出会いとか企画が生まれて今日この日を迎えられています。全てのことに無駄はないと思ってエンターテインメントの仕事に向き合ってきました。コロナという、人生で味わったことのない大変な状況ですが、たくさん勉強もできたので、あとは「結果良ければ全て良し」ではないですが、人生には全く無駄なことはないんだということを、結果で証明したいなと、改めて感じています。

HIRO自身も、海外を訪れるのは、20年3月にアテネで行われた東京オリンピック(五輪)聖火引継式のために、19年に下見で現地を訪れて以来だった。

HIRO あの時も、本当に子どもたちを連れていって参加する予定でしたが、(コロナの影響で)全部ダメになったので…。やっぱり海外のことになるとギリシャのことを思い出すぐらい、悔しい思いもいっぱいあったので、そういう思いも含めて、未来に向けて、前を向いて、ガムシャラに行動して、結果を出して、成功させたいと思います。

コロナ禍で試行錯誤した中で「HIGH CLOUD ENTERTAINMENT」との出会いがあった。

HIRO いろいろ準備していた中で、特にアジアは、東南アジアを中心に、そこから世界に出ていこうというような流れがあることが分かってきました。特にバンコクはインフラも整っていて、東南アジアの中でエンタメのホットスポットだと。そこからとある会社にF.HEROさんにつないでいただきました。直接会うことができて、同じ表現者として感覚的に絶対にハモっているし、信念ややりたいことは一緒だと感じられました。LDHとHIGH CLOUD ENTERTAINMENTのエンターテインメントをかけ算することで、アジア人の誇りを世界に見せようと。そんな夢の設計図もありますし、自然と巡り合ったぐらい、思いが一緒でした。

ネット世代の人口が一番多いアジアのZ世代攻略は、成功への道標。BALLISTIK BOYZとPSYCHIC FEVERが、その先陣を切る。

HIRO どちらのグループも、全員マイクを持ったり、今までのEXILE TRIBEが表現してきたスタイルとはまた違う形でブランディングをしてきました。彼らの音楽性だったり、パフォーマンス、ビジュアルも含めて、これからのアジアのZ世代の皆さんに共感してもらえるスタイルを突き詰めてきました。表現はそれぞれのグループにありますが、自分の中では”EXILEと同じ”だと思っているので、EXILEの信念を持ちながら、彼らが今の若者に刺さる表現の仕方を思う存分発揮してもらいたいと思います。自分なりのアイデンティティーとか、哲学を発信できないと、異国ではパワーを伝えられないと思うので、彼らの根底にあるものを、こちらで生活しながら発言できるように成長してほしいですし、それを見た日本のファンの皆さんが、楽しんでもらったり、頼もしくなった彼らを応援してもらえるような、そういういいサイクルでこのプロジェクトを成立させて、彼らの実力をさらに上に持っていけたらいいなと思います。期待してますし、彼らだったら絶対できると信じています。

今後は2グループは、タイでライブやイベント出演をはじめ、現地の学校にダンスを教えるなどの文化交流も行っていく。

HIRO 最終的には単独ライブができるところまで持っていきたいなと思います。そして将来的にはLDHのアーティストがどんどんこちらに来て、バンコクを中心に、アジアにLDHのエンターテインメントを浸透させていきたいです。

アジア、そしてグローバルマーケットへ。新たな1歩を確かに踏み出した。【大友陽平】