過去の性加害が報じられた俳優香川照之(56)が降板した、10月期のTBS系連続ドラマ日曜劇場「アトムの童(こ)」(日曜午後9時)の代役を俳優オダギリジョー(46)が務めることが16日、同局から発表された。

同作は、主演山崎賢人(28)が若き天才ゲーム開発者・安積那由他(あづみ・なゆた)役を務め、業界で大資本の企業に立ち向かい、成長していく物語。出演情報は未発表だったが、香川は既に撮影にも参加。報道を受けて、今月8日に香川の降板が決定していた。

同局によると、オダギリは那由他らの前に立ちはだかり、敵対する巨大資本のIT企業社長、興津晃彦(おきつ・あきひこ)を演じる。ゲーム業界を舞台に、バトルが展開される。オダギリが日曜劇場に出演するのは14年の「S-最後の警官-」以来約8年ぶり。

オダギリは06年の映画「ゆれる」(西川美和監督)で香川と兄弟役を演じている。TBSによると、今回、オダギリは同局からの出演オファーに対し「香川さんへの恩返しのつもりで、お引き受けします」とコメントしている。すでに決まっているほかのスケジュールを縫って撮影に臨むことを決めたといい、制作スタッフは強く感謝しているという。

またオダギリは山崎のデビュー作、10年のテレビ朝日系「熱海の捜査官」で主演しており、プライベートでのサッカー仲間。「山崎君をはじめキャストスタッフの皆さんの力になれるのであれば」とも話しており、代役への協力要請に快諾したという。

同ドラマの中井芳彦プロデューサーは「オダギリジョーさんにオファーさせていただいた際、この番組の演出と私が13年前のアシスタント時代にドラマで一緒だったことを覚えていてくださいました。今作ではチーフとして背負っていることをうれしく思います、とお話しいただき感激しました。この役を受けていただき感謝しかありません。山崎賢人さんはじめキャストのみなさま、そしてスタッフと、新たにオダギリジョーさんとともに一生懸命、真摯に『アトムの童』を作りたいと思います」とコメントしている。

香川をめぐっては、19年に東京・銀座のクラブであったとされるホステスへの性加害疑惑が一部で報道され、8月25日に所属事務所が「事実」と認める文書を発表し謝罪。香川本人も同26日に金曜MCを務める「THE TIME,」(月~金曜午前5時20分)で「誠に申し訳ございません」と生謝罪。今月2日に降板を発表した。

今月1日にトヨタ自動車が、香川が出演する「トヨタイムズ」のCMについて、放映の見合わせと本年末での契約満了を決定。これまでアリナミン製薬、東洋水産、セゾン自動車火災保険、サントリー、関西電力グループの光放送サービス「eo光」を提供するオプテージなどが香川出演CMの放送見合わせや満了、サイト掲載の終了などを明かしている。TBSは「THE TIME,」の金曜MC降板を発表した。

NHKもEテレの不定期特番「香川照之の昆虫すごいぜ!」と総合の不定期特番「香川照之の昆虫すごいZ!」を今後放送しないこと、Eテレのアニメ番組「インセクトランド」の放送中止を発表している。

テレビ朝日は、香川が出演している現在放送中の連続ドラマ「六本木クラス」(木曜午後9時)について「総合的に判断して番組の収録・放送を継続する」と発表。10月以降については「現在ご出演の予定はありません」としている。