来年6月に宝塚歌劇団宙組トップ真風涼帆と同時退団する宙組トップ娘役、潤花が29日午後、兵庫県宝塚市内で会見し、「真風さんとの奇跡のようなご縁に感謝したい」と、思いを語った。

真っ白なロングドレスに、耳元には銀のピアス。ピアスは昨年の誕生日、真風からもらったという。

「真風さんがここにいらっしゃらないので、はい…着けてきました」

退団発表は前日に同時だったが、会見は個別。真風がこの日午前に大阪市内で、その約3時間後、潤は兵庫県内で会見した。

「真風さんからは『心のままに、今まで感じてきた大切な思いを心に抱いてお話(会見に臨み)ましょう』と言っていただきました」と話すと、照れたように笑った。

潤は16年入団。雪組時代から新人公演でヒロインを複数回務め、早くから注目されたが、宙組へ移り、昨年2月、真風の2人目相手娘役に迎えられ、トップ娘役に就いた。

真風との学年差は10年あり「このような私に居場所を作ってくださって、一瞬、一瞬に幸せを感じます。最後まで同じ方向を向いて歩いていける幸せも感じています」。

真風からは、前作の公演前に退団の意思を告げられ、潤も同時退団を望んだ。

「(就任後)初めて真風さんのお隣に立たせていただき、その公演初日、幕が開いた瞬間に、この(真風との)奇跡のようなご縁に感謝し、最後までご一緒したいと強く思っておりました」

コンビ初作品の時点で、添い遂げを意識。真風に同時退団を願い、受け入れられた。

「『もしよかったら一緒に(退団)』と言っていただき、あのとき、あの瞬間は一生忘れません」

まだ、新人公演学年(7年目まで)の6年目。「短いと思う方もいらっしゃるかもしれませんが、私は時間よりも、真風さんに出会わせていただいた奇跡のようなご縁を財産に思い、しっかりと最後まで(一緒に)つとめたいと思いました」とも言う。

トップ娘役に就き、真風とのコンビでは4作での退団。真風からは、就任時に「人として、同じ方向を見て。ありのままの自分でいればいい。うそ偽りなく」と言われ、「毎日ぶつからせていただいた」と振り返る。

退団後については「今は何も考えられない」とし、「最後の最後まで、少しでも恩返しを。今出せる、ベスト以上のものを出せるようつとめたい」と話した。

今後は来年1月9~19日、真風主演の東京国際フォーラムでリサイタル「MAKAZE IZM」に出演。同3月に兵庫・宝塚大劇場で開幕する「カジノ・ロワイヤル~我が名はボンド~」が退団公演となり、同6月の同東京宝塚劇場千秋楽をもって、真風と同時退団する。