TBS系「THE TIME’」(月~金曜午前4時30分)で「早朝グルメ」というコーナーを担当し、篠原梨菜アナウンサー(25)が注目を浴びている。このほど早朝グルメロケに密着し、その裏側を探った。

その日、篠原アナは午前4時すぎに東京・下北沢駅にいた。後枠の「THE TIME,」(月~金曜午前5時20分)と合わせて、外からの中継を担当しているが、中継班はカメラマン、ディレクター、篠原アナの3人だけだった。

始発前の駅前で、午前4時45分頃の、最初の中継の準備を入念に行っていた。カメラを振る方向、その日紹介するグルメの内容、秒数などを確認していた。

1回目の中継を終えて、「早朝グルメ」に向けて店舗に移動。篠原アナは、店主にあいさつなどをした後、グルメの紹介内容、カメラの動線などをディレクター、カメラマンと自ら積極的に議論し合っていた。伝えることがメインの出役のアナウンサーが、作り手側の視点に立って、作りあげに行くことについて「3人しかいないのでね」と当然のごとく振り返った。さらに「かなり自由に動くこともできる。発生中継というかいろんな事件とか事故とかそういうものがあった時にすぐ行って撮れるっていうのもあったり。いろいろ入っていけたりとか、そういう意味では機動力はとても高いんです」と前向きに捉えている。

聞くと、午前3時30分頃に1度、店舗にあいさつにいき、段取りを相談してから駅などに移動して1度目の中継準備に取り組むのがルーティンとなっているという。

グルメの紹介時間は1分15秒が相場だ。この日のリハーサルでは、1分16、17秒だった。直後、ディレクターから「1分30秒になるかもしれない」と言われていた。15秒程度の押し巻きは全く気にならないという。

番組の構成上、「早朝グルメ」のあとは「天使ちゃん」と呼ばれるVTRが流れ、そのまま「THE TIME,」に移行するため、お尻が決まっている。何かトラブルがあっても次の番組が始まってしまうため、対応することができないというプレッシャーがある。

「とにかく、何ていうんすかね、俳句とかと一緒って言ったら俳句業界の方に怒られそうですが(笑い)、文字数が少ないというか時間がすごく限られているので、制限がすごいあるというか、縛りプレーのゲーム実況みたいな意味で、尺がとても厳しいんですよね。1分15秒とか、前のコーナーの押し巻きによって変動するんですけど、もうお尻は絶対に決まっているので、あそこに目掛けて、どういうふうに段取り良く、組み立てていくかっていうところが大きいので、やっぱりこれもあれも紹介したいけれども、入らないっていうと、どれを一番見せたいのかとか、やっぱり食べるところにちゃんと尺を割くとかそういうことはかなり、シミュレーションしながら、やっていますね」

「マスクを外すだけで何秒かかる」や「調味料のふたを開ける時間がもったいない」などコンマ何秒単位で緻密に計算し尽くされて1分15秒の「早朝グルメ」は作りあげられていた。【佐藤成】