俳優高杉真宙(26)が、NHK連続テレビ小説「舞いあがれ!」で、人力飛行機設計担当の「なにわの天才」にふんしている。

浪速大学の人力飛行機サークル「なにわバードマン」で、「スワン号」の設計を担う刈谷博文は、福岡出身の3回生だ。高杉自身が福岡出身ゆえの設定といい、3日、コメントを寄せた。

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-出演が決まった際の気持ちは

高杉 朝ドラにはずっと出たかったのですが、なかなか機会が得られなくて。オーディションを受けたことも、もちろんあります。今回はありがたいことに、オファーをいただきました。やっときた! やっと出られる! という感じでした。ドキドキして衣装合わせに行き、監督やスタッフの皆さんとお会いして、「楽しく撮影している方たちなんだろうな」という印象を受けましたね。そういう現場で撮影すること、一緒に作品を作れるということが本当に楽しみでした。

-ヒロインの福原遥とは2回目の共演

高杉 以前に映画で共演したときには、ガラッと空気を変えるはじけたお芝居をされていて「これはすごいな」と思ったので、今回はどんなふうに世界を切り取って撮影されるんだろうというワクワク感の中で参加させていただきました。

-役柄へのイメージは

高杉 刈谷は、今まであまり演じたことのないような役。ちょっと神経質そうで、でもちゃんと熱意のある人物で、演じていてすごく楽しい。ロマンチストな部分もあって、そこがまた「変な人」でいい(笑い)。仲間を大事にしていて、部員みんなで人力飛行機を作ることに重きを置いています。仲間がケガしないように最善を尽くす、その重荷を背負うのが設計担当者です。もう少しうまく話せたら、いい先輩だと思うんですけどね(笑い)。

-福岡出身

高杉 僕の出身が福岡ということで、制作統括の方が刈谷を博多ことばで話す役にしてくれました。博多ことばでしっかり演じるのは初めてです。最初は若干違和感があったけれど、慣れるとやりやすいですね。割と自由にやっています。

-印象的な場面は

高杉 岩倉(福原遥)と病院で話すところ。刈谷の「人力飛行機を飛ばしたい」という人一倍強い思いが、垣間見られると思います。この部活、男女ともに飛行機のことしか考えていません(笑い)。岩倉のおかげで自分が変われたという感謝の気持ちはかなりあると思いますね。

-ロケでは実際に人力飛行機を飛ばした

高杉 飛ぶには風速など、多くの条件をクリアしなくてはいけません。1時間ぐらい風を待つこともよくありました。でも、炎天下で福原さんがコックピットに入り、集中を切らさずに長時間じっと風待ちをされているのを見て、ひとつひとつ積み上げていくからいい作品が生まれていくんだなと思いました。ロケは午前2時集合で夜食から始まっていたのですが、そういう撮影は久々で、いいな、楽しいな、と。暑い中、仲間が走っているのに、刈谷が自転車に乗っているシーンは、本当に気まずかったです(笑い)。カットがかかったら、自転車を降りて歩いてみたりしました。

-現場の印象は

高杉 なにわバードマンのメンバーは、いろいろな年代の役者が集まっていますが、本当に仲良くワイワイと部活のような雰囲気。福原さんは、僕より年齢が少し下ですが、そう感じさせない堂々たる座長感。大阪ことばでセリフ量も多くていろんなお稽古があり、ヒロインが一番大変だとは思いますが、それを感じさせない明るさで周りへの気遣いができる方です。もちろん、演技でも周りをよく見ているからこそ、こうしようってやりとりできると思うので本当にすごいな、と。

-視聴者にメッセージ

高杉 自分の25、26歳の夏に「舞いあがれ!」の撮影があり、本当に熱い、すてきな青春を送らせていただいたなと感じています。自分の出演しているなにわバードマンのパートが、岩倉にとって「あそこに戻りたいな」と思えるようなシーンになっていればいいなと思いますし、岩倉のこれからの人生を僕自身も、視聴者の1人として楽しめたらいいなと思っています。