大川興業のお笑いコンビ、銀河と牛の牛越秀人(40)が東京・新宿でのシアターブラッツで上演中の劇団羊風舎の旗揚げ公演「都市伝説・康芳夫」で俳優デビューした。今までお笑いのステージは数多くこなしてきたが、俳優として舞台に立つのは初めてだ。

舞台は伝説の呼び屋、プロモーターとして数々のイベントを手がけ、国際暗黒プロデューサーと言われた康芳夫氏(85)の半生を描いている。プロレスラーのアントニオ猪木とボクシング世界ヘビー級王者ムハマド・アリとの世紀の対決、作家石原慎太郎氏を隊長にした国際ネッシー探検隊、謎の類人猿オリバー君の来日などを手がけたことで知られている。

牛越が演じているのは、1976年(昭51)に来日してブームを巻き起こしたオリバー君。「チンパンジーと人間の中間にあたる未知の生物」として話題になり、ホテルのスイートルームに宿泊してバラエティー番組に出演した。ADだった若き日のテリー伊藤氏(72)が世話係を務めた事で知られている。

せっかくのデビュー舞台だが、牛越の顔はステージ登場しない。お尻に目玉を描き、オリバー君の顔に見立てているため、観客に尻を向けたまま演技をしている。「せっかくの舞台デビューですからね、顔を出したかったんですが、演出の佐藤賢治さんの指示ですから。次の舞台では、素顔で勝負したいと思います」と話している。

康氏役をを睡蓮みどり(35)。アントニオ小猪木が、アントニオ猪木役で1人でムハマド・アリとの戦いを再現している。6日まで。