尾上菊之助(45)が企画、演出、主演する「新作歌舞伎 ファイナルファンタジー10」(23年3月4日~4月12日、IHIステージアラウンド東京)の制作発表会見が27日、都内で行われた。

人気ゲーム「ファイナルファンタジー」シリーズ35周年を記念する公演で、ゲームが新作歌舞伎になるのは初めて。「-X」は01年に発売されたシリーズ第10弾。

20年3月、新型コロナウイルス感染拡大の期間中に企画を立ち上げたという菊之助は「心がバラバラだった登場人物たちが、物語が進むうちに心を通わせ、葛藤を乗り越え成長する。諦めない姿勢はコロナ禍の世界、戦争が起きている世界に、強いメッセージを届けられるのではないかと思いました」と話した。

企画書を書き、SQUARE ENIXに映像メッセージを送った。中村獅童(50)尾上松也(37)ら出演者には、直接電話をしてオファーしたという。

獅童は「新しいものを菊之助さんと作れる喜びは大きい」、松也も「とにかくこの作品を作りたいという思いを聞きました。うれしく、光栄でした」と話した。

前編、後編合わせて9時間の上演時間になるため、菊之助の発案で、座席の背面と座面に高弾性ウレタンシートを全席完備する。菊之助は「ツイッターで『9時間死ぬ』という声がありました。足腰とおしりに優しいシートクッションを完備することで、安心して旅を楽しんでいただけるかなと思います」。

「ファイナルファンタジー10」のプレーについて、出演者の関わり方はさまざま。菊之助は、リリース時とステイホーム期間中にあらためてプレーしたそうで「両方ともクリアしております」と笑みを見せた。

坂東彦三郎(46)は中村米吉(29)に教わりながらプレーしているとし、中村梅枝(35)は「5周くらいしてる」と話した。

菊之助演じるティーダと米吉演じるユウナの淡い恋も見どころ。米吉は「菊之助のお兄さんと恋をしていくのはあまりないので楽しみです。ユウナというヒロインが魅力的であればあるほど、よりおもしろく、切なくなると思っています」とした。

中村橋之助、上村吉太朗、SQUARE ENIXの北瀬佳範氏も出席。