東宝が13日、23年ラインアップ発表会見を開き、スタジオジブリの宮崎駿監督(81)の新作長編映画「君たちはどう生きるか」を23年7月14日に公開すると発表した。

宮崎監督にとって、13年7月20日に公開され、興行収入120億2000万円を記録した映画「風立ちぬ」以来、10年ぶりの新作で原作・脚本・監督を務める。「君たちはどう生きるか」は、同監督が少年時代に読み、感動した、吉野源三郎の小説「君たちはどう生きるか」にインスパイアされ、題名を借りて新たなるオリジナルストーリーを生み出した、という。

宮崎監督は「風立ちぬ」封切り後の13年9月6日に都内で会見を開き、長編映画製作からの引退を発表した。それから4年後の17年2月23日に鈴木敏夫プロデューサー(74)が、同監督から16年7月に企画書を渡され、新作長編の準備に入ったことを明かし事実上、引退を撤回したことを示唆。同年10月には、タイトルが「君たちはどう生きるか」になることが判明。スタジオジブリは当時、37年に編集者で児童文学者の吉野源三郎が発表した同名の作品から取ったもので、その本が映画の主人公にとって大きな意味を持つと説明。11月28日には、星野康二社長が名古屋市で29日から開催する巡回展「ジブリパークとジブリ展」の開会式で、新作の完成が近づいていることを明かしていた。

会見では、宮崎監督が直筆したキャラクターも公開された。東宝の上田太地映画企画調整部長(53)は「宮崎監督の直筆のキャラクターと伺っています。ストーリーの詳細は聞かされておりません。吉野さんの著書とタイトルは同じですが、内容は異なるオリジナルストーリーと聞いております」と説明した。

東宝の市川南取締役執行役員(56)は「製作途中のものを都度、都度、見せていただきますが、拝見せずに今日を迎えました。(詳細は)あまり分からない。5年、作り続けている超大作であるのは間違いない」と語った。製作の現状については「これまでは、公開近くになっていますが、少し早く完成するのでは?」との見通しを語った。

内容について、吉野源三郎の原作が、映画の重要なカギになるという話もあるが? と聞かれると、市川氏は「吉野さんは原作ではない。何らかの形で出てくるのか? 画も一体、何ていうキャラでどういう活躍するか? 聞かされていないので、今後のお楽しみかと」と言及するにとどめた。

その上で、鈴木プロデューサーから聞いた話を踏まえ「80歳を越えている宮崎監督ですが、若々しいファンタジー作品になるのではないかとの予感がしていますので」と語った。