「夜明けまでバス停で」が、高橋伴明監督(73)の日本映画監督賞と、梶原阿貴氏(49)の日本映画脚本賞の2冠に輝いた。

梶原氏は元女優で「私は15歳の時に俳優としてデビューし、30歳を過ぎてから脚本を書き始めました。俳優では取れなかった個人賞を、この場で受け取れて、うれしく思います」とスピーチした。司会の笠井信輔アナウンサー(59)から、出演した1990年(平2)の映画「櫻の園」は、第64回キネマ旬報ベスト・テンで1位に輝いたことを指摘され、モニターに同作の写真がアップされると「そうなんですけど、もう少し良い写真、なかったでしょうか? 何で、こんな不細工な。主役でないから」と口にした。

「櫻の園」主演の中島ひろ子(51)は、主演女優賞を受賞した岸井ゆきの(30)の受賞対象作「ケイコ 目を澄ませて」で、岸井演じる主人公の母を演じている。梶原氏は「お母さんですね…なかなか、お互い、いろいろあって33年、芸能界でやってきたことを、うれしく思います」と感慨深げに語った。

高橋監督は、初受賞に「こんな小さな映画で、老い先短い自分にスポットを当てていただいて感謝。また、監督やっていいのかな、という気になりました」とスピーチした。ピンク映画で監督業をスタートして50年での初受賞で、受賞までが長かったかと聞かれると「あまり、感じてない」と笑った。妻の高橋恵子(68)の反応を聞かれると「(『夜明けまでバス停で』の)製作に名を連ねている。『まぁ…う~ん。普通に良かったね』と」と明かした。