【米ロサンゼルス12日(日本時間13日)千歳香奈子通信員】第95回アカデミー賞授賞式が行われ、米映画「エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス」(ダニエル・クワン&ダニエル・シャイナート監督、公開中)が作品賞、監督賞など7冠に輝いた。

中国系マレーシア人のミシェル・ヨー(60)が、主演女優賞でアジア人初のオスカーを獲得。ベトナム生まれで、85年の米映画「グーニーズ」の人気子役として知られるキー・ホイ・クァン(51)も同年のカンボジア人俳優ハイン・ニョール以来、アジア人で38年ぶりの助演男優賞を受賞した。

15、16年と俳優部門にノミネートされた20人全員が白人で、人種差別だと批判が噴出し、主催の映画芸術科学アカデミーは改革を進め海外の会員を増やした。19年には「パラサイト 半地下の家族」が非英語映画で史上初の作品賞を受賞。今回の“アジア旋風”は、その改革がさらに進んだ証明と言えるだろう。クァンが「私の旅は難民キャンプで始まり今はハリウッド最大の舞台にいる。これこそアメリカンドリーム」と涙を流せば、ヨーも「これは皆さんの夢がかなう証し。歴史的なこと」と感激した。