今日26日付日刊スポーツのインタビュー企画「日曜日のヒロイン」に登場しているTBS日比麻音子アナウンサー(29)。1月から同局系「Nスタ」(月~金曜午後3時49分)で金曜キャスターを務めている。紙面に入りきらなかったエピソードを紹介する。【佐藤成】

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日比アナは、これまでともに仕事をしたそうそうたる司会者から、さまざまなものを吸収し、成長につなげている。21年9月に終了した同局系情報番組「あさチャン!」で共演した夏目三久さんから受けた影響は計り知れないという。

日比アナは20年10月から「あさチャン!」で、肩書こそないものの、ほぼMCのような役割で夏目さんの横に立った。当時について「正直あの時に、流れで『メインキャスターです』とか『就任』とか『進行』とかじゃなく、なんとなくやってしまったところがあって、私はすごくそれを後悔しています」と振り返った。

「覚悟もなかったというのが正直なところなんですけど、それは夏目さんも察してくださって。本当に育ててくれたというか…。夏目さんのオンエアに対する、常に凜(りん)とした姿勢とか、言葉の選び方とか…。今の私はほとんど夏目さんから学んだと言っても過言ではないぐらい」と熱っぽく語った。

「一言一句すごく難しい時期だったんです。コロナが始まった時期だったので、何を言ってもギスギスする時期で、そんな中で、不勉強な私を隣に座らせていただいて、本当に夏目さんは一字一句考える方だったので、こんなに丁寧に毎朝ニュースに向き合う、その努力の姿勢をそばで拝見していたことが、『Nスタ』のキャスターになる大きな武器になったなって本当に感謝しています」と夏目さんへの思いを口にした。

実際にどんなやりとりがあったのか。

「やっぱり夏目さんってすごい気遣いの方だったので、たぶんあえて私に具体的なこうした方がいいとアドバイスはなかったんですけど、私が聞きに行くと必ず答えてくれる。初めてご一緒する前に『何か気をつけた方がいいことありますか?』って言ったら『とにかく毎日健康に会社にいらっしゃい』って言ってくださったのがすごいうれしくて。すごくすてきな方でしたね。かっこよくて美しかった」。

21年9月30日、夏目さんは「あさチャン!」の最終回の日に芸能界を引退した。番組のエンディングで、共演者が夏目さんへの感謝を語る場面は、多くの視聴者の記憶に刻まれている。中でも、ともに番組を真ん中で支えた日比アナと夏目さんのやりとりは感動的なシーンだった。当時、日比アナは「夏目さん、いつも凜(りん)とした姿で、ニュースに立ち向かっていくその姿を隣でご一緒できて、アナウンサーとしても女性としてもたくさんのことを学ばせていただきました。これからもずっと憧れの存在です。ありがとうございました」と目に涙を浮かべ、声を詰まらせながら感謝していた。

夏目さんは「ありがとう。日比ちゃんね、本当にたくさんのプレッシャーがある中だけど、こうやって最後まで務め上げました。ありがとうございました」と応じていた。

当時について日比アナは、「女性としても、アナウンサーとしても本当に尊敬しているし、ちょっと恋をしてるぐらい…。あの言葉も、番組が終わるって決まった時からずっと考えて、最後になんて言葉をかけても足りなかったので…。思い出しただけでもちょっとウルウルきちゃうんです」と思いをはせた。