4月5日にシングル「あなたに哀愁」でデビューする歌手岡本幸太(35)が31日、都内のライブレストランでデビューイベントを行った。新曲やカップリング曲「たそがれシネマ」のほか、中島みゆき「化粧」沢田研二「勝手にしやがれ」を披露した。

高校生の時にカラオケに夢中になったことをきっかけに、20歳の時に歌手を目指して上京。カラオケDAMのガイドボーカル約200曲、バックコーラスは約3000曲を担当。16年には歌の国体と呼ばれる日本大衆音楽祭でグランプリに輝き、アニメソングなども担当。今回、甘いルックスと昭和歌謡からアニメソングまでを幅広く歌いこなす歌唱力を武器にデビューすることになった。

デビューに感極まったのか、岡本はファンへの最初のあいさつから涙ぐんでしまった。

「ずっと僕が夢に描いていた歌謡曲で、4月5日デビューすることになりました。本当に夢のような気持ちです。今日をすごく楽しみにしていたのですが、まさか頭から泣いてしまうとは思わないくらいの不思議な空間です。皆さんにこうして見ていただいて、スタートが切れるんだなって実感しました。本当に頑張っていきますので、よろしくお願いいたします」と語ると、客席からは黄色い声援が飛んだ。

レコード会社によると、昨年メジャーデビューした歌手は318人。ここ数年、毎年300人がデビューするが、そのうち演歌歌謡曲は2割ほどだという。メジャーレコード会社は18社もあり、岡本は厳しい競争をくぐり抜けてのデビューとなる。

デビューイベントについて岡本は「もしかしたら僕もうまくしゃべれなかったところもあるかと思うんですけど、皆さんへの感謝を込めたステージをと思いました。ここまで来られたのは、僕1人の力じゃないっていうのは、ものすごく感じているので、そういった気持ちでやらせてもらいました」。

上京から苦節15年ということになるが、当人はそれほどの苦労ではなかったという。「長かったってことはないですね。長いようで短いようで、なんかあっという間でした。つらかったことも、そうですね、あまりなかったかな。ステージがうまくいかなかったりすることはありましたけど、乗り越えられないってことはなかったように思います」と語った。

目標は、日本レコード大賞新人賞とNHK紅白歌合戦出場だ。「それだけではなく、オリジナルの楽曲を増やして、ワンマンライブをやりたいです。目標は浅草公会堂です」と抱負を語った。