漫画家の森薫氏が17日、漫画雑誌「青騎士」(KADOKAWA)のメディアプラットフォーム「note」にコメントを寄せ、体調不良に見舞われていることを明かすとともに、同誌で連載中の作品「シャーリー・メディスン」の原稿が一部未完成の状態で掲載されることを謝罪した。

森氏は20日発売号に掲載される同作について、「今回の原稿が一部未完成の状態で載ることになってしまいましたことをお詫びします。読まれた方はがっかりされたかもしれません。久々のシャーリーのお話を楽しみにしてくださっていた方にも申し訳ない気持ちです」と謝罪。「青騎士編集部はスケジュール調整など考えうる限り尽力して下さったのですが力及ばす、こういった結果になってしまいました」と説明し、「青騎士の他の作家さんたちに対しても失礼な事ですし、責任を感じています」とした。

理由は体調不良だといい、「2022年の年末あたりから指先にアレルギー性皮膚炎が出て、さらには石灰沈着性関節炎というものも発症し、満足にペンが持てない状況が続いていました。症状があまり良くならない中、今年に入っては可逆性脳血管収縮症候群という急性の頭痛まで出てきてしまいました」という。病院を受診するも、いずれも原因不明で「自然治癒を待つほかないとのことでした」とした。

また、以前より確認していたという子宮筋腫が大きくなっていることが人間ドックで判明したといい、「子宮筋腫が全ての症状の原因かはわかりません。まったく関係はないかもしれません。それでもほかに異常は見られないこと、短期間に大きくなっていること(※)、その他にもおそらく筋腫が原因と思われる症状も出ていたため、今後のことも考えて摘出手術をすることになりました。(※事前のMRIの所見では悪性である可能性は低いだろうとのことです)」と、開腹手術を受けることを報告し、「手術後の体調がどうなるか今は分からないことが多いため、様子を見ながら連載に復帰したいと思っています」とした。

なお同誌編集部は「2023年4月発売青騎士13B号掲載の『シャーリー・メディスン』は全38ページのうち、5ページ分に、一部鉛筆画でのコマがあります」と説明。「『指先が痛み、絵を描こうとすると痛くて集中できなくて』という森薫さんの状態がつらそうで、製版所にも無理を言って最大限、執筆の時間を確保しながら13号の制作を進めてきましたが、このような状態での掲載になってしまい、誠に申し訳ありません」と謝罪し、「手術が無事に終わり、森薫さんが順調に回復なさったのち、改めて完成したシャーリー・メディスン38ページはこの青騎士noteにて公開させていただこうと思います」とした。

森氏は他に「乙嫁語り」などの作品で知られる。