NHKは27日、2025年の大河ドラマの主人公が蔦屋重三郎に決まり、横浜流星(26)が主演すると発表した。題名は「べらぼう~蔦重栄華乃夢噺(つたじゅうえいがのゆめばなし)~」。脚本は森下佳子氏が担当する。

1700年代の江戸が舞台。出版を生業とし、喜多川歌麿、葛飾北斎、山東京伝、滝沢馬琴らを見いだした“江戸のメディア王”蔦屋重三郎の生涯を描く。

横浜にとっては、大河初出演にして初主演となった。この日、同局で行われた会見に出席し「役者ととして1つの目標だった大河ドラマに初出演、初主演に選んでいただき、大変光栄に思います」とあいさつ。「見てくださる方の心に活力や勇気や希望を与え、愛される作品にするべく、キャスト、スタッフ一丸となって頑張ってまいります」と意気込んだ。

演じる蔦重については「自分も存じ上げなくて、今資料や本を読んで勉強している」。多くの画家や作家を発掘した才能については「普段自分は歌麿や北斎のようにプロデュースされる側。プロデュースする側を演じるのは興味深いと思いました」と語った。

昨秋オファーを受けた。当時の心境を振り返り、「大河ドラマも朝ドラも出ていない自分に何でお話をいただけたのかと、驚きが隠せなかった」と率直にコメント。「今は皆さんの前で発表させていただけて、この作品をしっかり届けなければと覚悟を強く持っています」と話した。

23年は徳川家康が主人公の「どうする家康」(松本潤主演)が放送中。24年は紫式部が主人公の「光る君へ」(吉高由里子主演)が予定されている。

脚本の森下氏は、17年に「おんな城主 直虎」の脚本も担当しており、大河ドラマは2度目。同局ドラマでは、13~14年の連続テレビ小説「ごちそうさん」や、今年1月の「大奥」などを担当している。

◆横浜流星(よこはま・りゅうせい)1996年(平8)9月16日、横浜市生まれ。モデルをへて、13年のドラマ「リアル鬼ごっこ THE ORIGIN」で俳優デビュー。映画「キセキ-あの日のソビト-」で演じたグリーンボーイズ名義でCDデビュー。19年の日本テレビ系ドラマ「あなたの番です-反撃編-」などで、20年にエランドール賞新人賞を受賞した。22年にはTBS系ドラマ「DCU~手錠を持ったダイバー~」、同「オールドルーキー」に出演し、映画「嘘喰い」では主演を務めた。特技は空手。

◆過去10年の大河ドラマ

21年「青天を衝け」=渋沢栄一(吉沢亮)

20年「麒麟がくる」=明智光秀(長谷川博己)

19年「いだてん~東京オリムピック噺」=金栗四三(中村勘九郎)田畑政治、(阿部サダヲ)

18年「西郷どん」=西郷隆盛(鈴木亮平)

17年「おんな城主 直虎」=井伊直虎(柴咲コウ)

16年「真田丸」=真田信繁(堺雅人)

15年「花燃ゆ」=杉文(井上真央)

14年「軍師官兵衛」=黒田官兵衛(岡田准一)

13年「八重の桜」=山本八重/新島八重(綾瀬はるか)

12年「平清盛」=平清盛(松山ケンイチ)