英王室を離脱して米カリフォルニア州に移住したヘンリー王子(38)とメーガン妃(41)夫妻が16日、ニューヨーク市内を移動中にパパラッチ集団に追いかけられてあわや大惨事のカーチェイスに巻き込まれた件で、FOXニュースの元キャスターでジャーナリストのメーガン・ケリー氏が、「大げさ」とかみついた。

夫妻の広報担当者は、夫妻とメーガン妃の母ドリアさんが同乗した車が2時間にわたって執拗(しつよう)に追い回され、他の車や歩行者を巻き込む事故が複数起こる寸前の状況だったと述べ、信号無視などの危険な運転があったと非難。夫妻の警備チームの1人も米CNNの取材で、10台以上のバイクや車、スクーターに追いかけられ、今まで経験したことのない非常に混沌(こんとん)とした状況だったと明かした。

これに対し、過去にもメーガン妃を「うそつき」「二流女優」などと批判してきたケリー氏が、自身のポッドキャストの番組で「あわや大惨事って何?」と笑い、運転中に携帯メールを確認したり、ラジオのチャンネルを変えようとしてあわや大惨事なんてことは誰にでも起きている主張。さらに、「信号や一時停止の標識、歩行者や車の交通量も多いニューヨークで、2時間もカーチェースするなんてことはありえない。自分たちの身を守るために安全に車を止めることができる場所はいくらでもある」と述べ、夫妻の主張に疑問を呈した。また、著名人ならパパラッチに狙われることは誰にでもあり、いちいち「身の危険を感じる」と広報担当者にコメントを出させるようなことはしないと持論を展開。「公共の場、路上にいる時、報道機関の人たちは写真を撮る権利がある。私も尾行された経験があるが、報道の自由があるこの国では、それは生活の一部」と述べた。

CNNによると、執拗な追跡を巻くため夫妻はカーチェイスの間に車を乗り換えていたといい、途中から夫妻を乗せたタクシーの運転手は「自分が運転していた時には、危険な追跡行為はなかった」と証言している。ニューヨーク市警察によると、この件で事故が起きたとの情報はなく、逮捕者も出ていないという。(ロサンゼルス=千歳香奈子通信員)