宝塚歌劇団の星組トップ礼真琴が主演するフレンチ・ミュージカルの話題作「1789-バスティーユの恋人たち-」は2日、兵庫・宝塚大劇場で開幕する。稽古中に体調不良者が出るなどし、初日の開演を2時間半遅らせて、午後3時半スタートで幕開ける。

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今星組公演は、ロックでつづるフレンチ・ミュージカルの大作。革命前夜のフランスが舞台とし、礼は革命に身を投じる青年ロナンを演じる。宝塚では15年の月組以来の再演で、注目を集める中、開幕に先立つインタビューで、礼は月組での初演時の「衝撃」を語っていた。

稽古に先立ち、制作発表でもナンバーを熱唱。世界観を肌で感じていた礼は「8年前の月組さんの舞台を拝見した時、衝撃を受けた作品だったので、いつかどこかで自分も挑戦してみたいと思いがありました」と話していた。

歌、ダンス、演技力と3拍子すべて、高いレベルでそろい、下級生時代から注目されてきた礼だけに、ファンからの熱い期待も強く感じている。

「ファンの方々や、組のみんなからも、『見てみたい』という声をいただく機会が多かったというのもありまして、今回実現できたことがすごくうれしい」

率直な思いを吐露していた。稽古では苦しみ「悩みながら作っている段階」とも口にしており、その闘いこそが「フランス革命に向ける民衆の苦しみ、力強さだったり-。そういった力に、日に日に向かっているのではないかな、と。自分自身でも楽しみな毎日です」。稽古では壁にぶつかるたび、前進する実感をつかんでいた。

残念ながら、途中で稽古は一時ペースダウンとなったが、幕開きのその瞬間まで、懸命に準備を重ねていく。相手娘役の舞空瞳とは、前作では、班を別れて公演に臨んだが、今作では向かい合う。

トップ娘役の舞空は、王太子の養育係オランプにふんし、世話になる王宮と、革命へ向かう熱い思いの間で揺れ動く役どころだ。

礼は、舞空との掛け合いを「衝撃的な出会いから、2人の会話もまだそんなにないのに、話してみたら夫婦漫才のように、ポンポンポンポンかみ合ってしまう。そんなところがおもしろい」関係性だと考え、大作に向かう。【村上久美子】