東京・歌舞伎座「六月大歌舞伎」が3日、初日を迎えた。

昼の部「傾城反魂香(けいせいはんごんこう)」は、先月救急搬送され、この日10月までの休演が発表された市川猿之助(47)に代わって、中村壱太郎(32)が出演。言葉が不自由な絵師の夫を支える妻を演じた。

主人公の絵師は市川中車(香川照之=57)。同演目は3代猿之助四十八撰の1つで、父で猿翁(3代目猿之助)が工夫を重ねた役。中車は「父が過去につとめた型を踏襲しますので、澤瀉屋としての責任を強く感じます。遠く憧れの役だと思ってきました。きっちりとつとめなくてはいけないと心しています」と話している。

中車と壱太郎演じる夫婦愛の物語には、大きな拍手が送られた。中車の長男市川團子も出演。

昼の部はほか中村芝翫らによる「児雷也(じらいや)」、中村福助らによる「扇獅子(おうぎじし)」。25日まで。