映画監督の山田洋次氏(91)が24日、生まれ故郷の大阪・豊中市内で行われた映画「こんにちは、母さん」(9月1日公開)の先行上映会に登壇した。

山田氏の90本目の監督作で、「母べえ」(08年)、「母と暮せば」(15年)に続く「母」3部作の集大成。大会社の人事部長として日々神経をすり減らしながら、妻、娘との関係に頭を悩ませる神崎昭夫(大泉洋)と、東京・下町に暮らし、母・福江(吉永小百合)親子を心情豊かに描く。

吉永との親子の物語を描くにあたり、山田監督は早い段階から、息子役は「大泉洋が良いと思っていた」という。「テレビや映画でよく見ていたけれど、なかなか力のあるたいした役者。数少ないスターのひとり。彼が出るとパッと明るくなる。そこが大事。明るくならない俳優もたくさんいますし」と語った。

吉永の魅力については「うーん」と5秒ほど沈黙。会場の笑いに誘うと、「常識的な言い方になるけど、とにかく品が良い。あの人の人間性そのもの。非常に真面目だし、よく勉強もしてる。知的で人間として、しっかりしてる」とたたえた。

次回作については「まだ終わったばかりですからねえ」とニヤリ。「監督になってから何十年ももたつけど、いつも『こんなことをやりたい』というのは2つも3つも持ってる。できたら作りたいという気持ちもないわけではないですが、いつか限界が来るでしょうから、今は言いません」と話すにとどめた。

一方で、MCから地元でのロケをお願いされると、「生まれも育ちも(豊中市の)岡町。生まれた家も残ってる。あの家を映すようなロケができたら」とリップサービスも忘れなかった。