先日、「第18回ベストマザー賞2026」授賞式を取材する機会に恵まれた。約1年3カ月間の産休・育休期間を経て、今年4月に職場復帰した記者にとってタイムリーな取材となった。

「ベストマザー賞」の取材は4年ぶり。今年は俳優部門に相武紗季、タレント部門に南明奈、音楽部門に加藤ミリヤ、スポーツ部門に鮫島彩さん、芸術部門に映画監督の安藤桃子氏が受賞した。4年前に取材した際はまだ子どもがおらず、「なるほど」と聞いていた記憶はあるが、今年は全く違う。話の一つ一つが妙に現実味を帯びて聞こえる。

8歳の長男と5歳の長女を育てる相武はこう語った。

「母になった日から毎日悩む日々で、あっという間に1日が終わる生活を続けています。3歳の時は3歳の悩みあり、4歳になったら4歳の悩みがあり、不安にさいなまれる日も多い」

まさにその通りだなと思う。記者も毎日6時起床、朝はいつもバタバタ。気付くと9時。そして毎日何かに悩んでいる。今の悩みは、子どもがスープの入ったコップをひっくり返したがること。飽くなき探求心で重力の研究に取り組んでいるんだ、と思い込む日々。つくづく忍耐力が必要だ。

三兄弟を育てる加藤は、育児と仕事の両立のコツを明かした。

「私は敏腕マネジャーなんだと思うこと。スケジュールの調整がパズルです。病院に行く数、歯のチェック、学校の行事、習い事…。こんなに母になると忙しいのかと。毎日スケジュール帳を見ている感じです」

加藤の話を聞いていた他の受賞者たちも大きく頷き、記者も唸るほど頷いた。加藤のマネジメント管理にも通じる話をしたのが、11歳の長女の母で、高知県と東京の2拠点で暮らす日々を送る安藤氏だ。

「私1人では到底子育てはできない。これは絶対に忘れてはいけないけど、じいじとばあば、本当にありがとう! 近所の皆さんや居酒屋のおばちゃん、隣の奥様、学校のママ友にも支えてもらっている。パパや男性の中にある母性がママを支えて、この世界が回っている。すべてのお母ちゃんにありがとう!」

安藤氏のユニークでシンプルな言葉に、会場のあちらこちらでも大なり小なり賛同と笑いが頻発した。

マザーズ協会特別顧問で、第3回ベストマザー賞を受賞した、立憲民主党の蓮舫参院議員は全国のママにエールを送った。

「本当に子育てはあっという間に終わります。つないでいた手を離し、いつの間にか離れて背中しか見られない。そして自分自身の子育てが返ってくる日が必ずきます」

SNSを開けば子育て論はたくさんあるが、受賞者たちの話に共通していたのは、悩みながらも前を向いている姿だった。仕事との両立に奮闘し、周囲に支えられながら子育てする日々を積み重ねる姿にこちらも勇気をもらった。

そして、受賞者のような輝かしい経歴を持つ母たちも、みんな同じように手探りなんだと感じた。子育ての正解はわからないが、蓮舫氏が言う「子育てが返ってくる日」を楽しみに待ちながら、記者も1日を乗り切ろうと思う。【加藤理沙】