宝塚歌劇団は25日、月組トップ月城かなと、同トップ娘役の海乃美月が、来年7月7日付で退団すると発表した。月城は26日に大阪市内で、海乃は同日に兵庫県内で、それぞれ退団会見を開く。

月城は09年入団で、星組トップ礼真琴、花組トップ柚香光らと同じ95期生。雪組に配属され、有望株がそろっていた「95期」の中でも、抜群な美貌と、ノーブルな立ち姿で、下級生時代から注目されてきた。

深みのある芝居、安定した歌、宝塚の伝統的な「美」を継承する踊りと、さらに技量を磨き、17年2月には月組へ異動。18年「エリザベート」では、過去に多くがトップに就いた男役の出世役・ルキーニを演じ、先輩スターの休演時には皇帝フランツの代役も務めるなど、月組でも主力スターとして存在感を発揮した。

21年には、故春日野八千代さん主演作「ダル・レークの恋」で、クラシカルな美を表現。同年8月、月組トップに就任。95期から礼、柚香に続く3人目のトップ誕生となった。同期の中では、すでに退団を発表している柚香に続いての退団になる。

22年1月「今夜、ロマンス劇場で」で本拠地お披露目。退団公演は24年3月に兵庫・宝塚大劇場で開幕する「Eternal Voice 消え残る想い」「Grande TAKARAZUKA 110!」。本拠地5作での退団になる。

海乃は11年入団の97期生。月組一筋で、月城のトップ就任にともない、相手娘役に迎えられた。月城との学年差は2年、娘役としては遅咲きの11年目での就任となったが、気品のある舞台姿で、ヒロイン経験も豊富、スカートさばきなど娘役芸にたけ、優雅なダンスでも、月城を支えてきた。