第36回東京国際映画祭(10月23日から11月1日まで、日比谷、有楽町、丸の内、銀座地区などで開催)ラインアップ発表記者会見が27日、都内で行われた。

質疑応答の中で、安藤裕康チェアマンと市山尚三プログラミング・ディレクターに対し昨今、議論を呼んでいる性加害、性暴力、ハラスメントに関して質問が出た。質問者から、個別具体の事案を指すような言及はなかったが、他の国内の映画祭において性的暴行に関する問題が生じた、との例示はなされた。

安藤チェアマンは「性加害、人権の問題については我々もセンシティブに、真剣に向き合っていきたい。幅広い意味での人権を侵すようなことは断固として許されるものではないと考えております」と東京国際映画祭としての基本スタンスを示した。一方で「出演される方々の問題もある。皆様方の活動の場がなくなることはいけない」と、出演する俳優、タレントへの一定の配慮の必要性も指摘した。

安藤チェアマンは「本件は今、社会でいろいろ調査も続いておりますし、それに対する対処の仕方についても社会全体、各方面で議論し、かつ措置が行われている最中ではありますので」と言及。具体的には示さなかったが、ジャニーズ事務所の性加害問題を指しているもようで「我々も真剣に注視していきたい」と語った。