第36回東京国際映画祭(10月23日から11月1日まで、日比谷、有楽町、丸の内、銀座地区などで開催)ラインアップ発表記者会見が27日、都内で行われた。
今年からフェスティバル・アンバサダー改めナビゲーターに就任した安藤桃子監督(41)は、父で俳優・映画監督の奥田瑛二(73)とのツーショットが映画祭の公式ポスターになっている。質疑応答の中で、安藤監督にポスターにとどまらない、その先の新企画の動きはあるか? と質問が出た。同監督は「もう…実は、あったりして。言ったら、怒られるヤツだけど…もう、完成して」と、既に完成した作品があると明かした。さらに「映画祭とは、違うヤツなんですけど」と、東京国際映画祭以外で父娘タッグによる新企画があることを示唆した。
今年の第36回東京国際映画祭では、生誕120年となる小津安二郎監督の特集を組む。そこで、同監督の代表作の1つである1953年(昭28)の「東京物語」にオマージュをささげるようなイメージで、東京駅近くのKITTE丸の内の屋上庭園で「東京物語」で義理の親子を演じた笠智衆さんと原節子さんのように、奥田と安藤監督の親子を撮り下ろした。安藤監督は、そのことを踏まえ「例えが、あまりに光栄すぎて、身に余る」と笑いながら語った。その上で、撮影の中で感じた思いも語った。
「タイミングとして受け継いでいくことも、父も意識する年齢になり…。俳優としても、ずっと長年、活動してきた、お父さんの姿を見ていて、そこで私もたくさん出会わせていただいた監督、先輩の方々の志してきたこと、どういう映画界にして頂きたいかというメッセージを、今回のポスター撮影の中で見えないバトンが繋がっていった。映画に携わらない人たちにとっても、人生を描いていく象徴としても映画のバトンが繋がっていくイメージ」
質疑応答の最後に、再び、奥田との新作について聞かれると、安藤監督は「作り終わったものがあって、これから…ははは」と笑った。そして「ドーンというパワーはないけど、普通にインスタで発表するかも知れないので、拾ってもらえたら」と、ひそかに発表する可能性を示唆した。