歌舞伎俳優市川團十郎(45)の長女で俳優の堀越麗禾(れいか=12)が、米映画「ザ・クリエイター/創造者」(10月20日公開)で、実写映画の吹き替えに初挑戦したことが28日、分かった。
堀越は、米女優マデリン・ユナ・ボイルズ(9)が演じた、物語の重要なカギを握る超進化型AIの少女アルフィーの日本語吹き替えを担当。「どう伝えようかと考えていたのですが、会ったらうれしくてそのまますぐに伝えてしまって。そしたら『おめでとう!』って自分のことのように一緒に喜んでくれました」と、父と喜びを分かち合ったと明かした。
堀越は今回の出演にあたりオーディションを受け、役どころの声質との相性も良く、米ウォルト・ディズニー本社から高い演技力も評価され抜てきされた。声優に初挑戦した22年の米アニメ映画「DC がんばれ!スーパーペット」以来の声優だが「アルフィー役に決まったと聞いて、とにかく驚いて、もううれしくて、とっても驚きました」と、米ハリウッド大作の日本語吹き替え版への出演を喜んだ。
團十郎から吹き替えをする時に何かアドバイスや、逆に何か聞いたことはあるかと聞かれると「『AIの役だよ』と伝えたら『おっ、すごいじゃん! 難しそうだけど、自分なりに頑張って!』と応援してくれました」と、やりとりを明かした。
実際に演じた印象については「最初の方はあまり言葉を出さずに、表情などでいろんなことを表す場面が多かったのですが、そういうキャラクターだからこそ言葉を出す時はより興味を引くと思います。ですので一言一言を発する時には前の場面を見ながら、そこにはどういう感情が入ってるのかと考えながらセリフを言うことがとても難しかったですが、意識して頑張りました」と振り返った。
本編で演じたボイルズより、実年齢で3歳年上だけに声色の年齢の調整も配慮したという。「少し大人っぽく、私っぽくなってしまった時は多分、私の場面しか見ていなくて、どういう感じなんだろう、この子はどういう役なんだろうっていうのが、あまり私が自分で理解しきれていなかった部分があったと思う。ですが、全体的に監督さんもたくさんのアドバイスを詳しくくださったり『もうちょっと表情を変えて言ってみたら声変わるよ』と言ってくださったので、そのおかげで、声を変えることができたのかなって思いました」とアフレコを振り返った。
作品も一足先に鑑賞したが、見終わるとスクリーンにサプライズ映像が流れ、英国人のギャレス・エドワーズ監督(48)が登場。「日本のアルフィーとして作品に参加してくれること、とても感激しています」とメッセージが送られた。堀越は「映画館ならではのすごい迫力や、争いの爆発とか目と耳から入ってくる音などが一気に入ってきて、『わぁっ!すごい!』と、とっても驚きました。すごかったです。感動で心が「う~」っとなる場面も何ケ所もあったのですが、全体的に心が刺激されるような所ばかりで、アルフィーになったような気分で映画を見ていました」と振り返った。
今後、ハリウッド映画に挑戦してみたいかと聞かれると「そういう気持ちはたくさんありますが、英語で監督さんとかとコミュニケーション取るのがとても難しそうなのですごく不安です。でも挑戦してみたいっていう気持ちはあります」と意欲を見せた。「今回は戦うSF版のハリウッド映画でしたが、どんなところでどう演じられるか、そういう経験を積み重ねていくうちに、こんな自分もいたんだと見つけることもできると思うので、いろんなものに興味がありますし、このジャンルということではなくいろいろなジャンルに挑戦してみたいです」とも語った。
團十郎を、どう誘うかと聞かれると「父は本当に自分のことのようにこの映画に吹き替えで出るって決まった時は喜んでくれたので、見せるとなったら、期待も少しあるのかなと思って、その期待に応えられなかったら、どうしようみたいな」と、期待に応えられるか否か、不安を口にした。それでも「他の人と一緒に見に行くよりは緊張感が増します。なので恐る恐る、一緒に行かない? って誘いたいと思います」と慎重に誘うつもりだと明かした。また「優しい友達ばかりのなので、もうおめでとう! って言ってくれると思います。家族はもちろんのこと、友達とも見てみたいなと思います」と、友達とも見に行きたいと目を輝かせた。
日本語吹き替え版の声優には堀越のほか、主演の米俳優ジョン・デビッド・ワシントン(39)が演じたジョシュアの声を田村真、渡辺謙(63)演じるハルンの声を森川智之、英女優ジェンマ・チャン(40)演じるマヤの声を恒松あゆみ。米女優アリソン・ジャネイ(63)演じるハウエル大佐の声を小宮和枝が、それぞれ演じる。