ジャニーズ事務所が創業者ジャニー喜多川氏(19年死去)の性加害問題をめぐり会見を開き、社名変更や解体を発表して一夜明けた3日、東京・赤坂の本社ビルの社名ロゴが今月17日までに撤去される見込みであることが分かった。60年以上続いた「ジャニーズ」ブランドの消去に向けて、本格的な動きが進んでいる。

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ジャニーズ事務所は2日、17日付けで社名を「SMILE-UP.(スマイルアップ)」に変更し、マネジメントや育成業務からは完全に撤退して被害者補償が終わり次第廃業することを発表した。複数の関係者によると、本社ロゴ撤去の準備が進んでおり、社名変更する17日までに完了させる予定という。不動産関係者は「人通りもある場所で設置場所が高く文字数も多いため、今日明日で簡単には取り外せないだろう」とも話しており、慎重に作業を進めていくとみられる。

ジャニーズ事務所本社の6階上部には、「J」の文字と「Johnny&Associates」のロゴが掲示されている。東京メトロ乃木坂駅から徒歩1、2分程度とアクセスが良く、外苑東通りから誰でも望むことができるため、一種の象徴的なスポットとなっている。

この日、ジャニーズ事務所本社の向かい側にあたる歩道には、多くのジャニーズタレントのファンらが訪れた。ロゴを背景にわが子を撮影する女性や、タレント応援グッズのうちわ越しに社屋を撮るファンの姿も。ランチ時に通りかかったサラリーマンたちも、ロゴに気付くと一斉に指さし、スマートフォンを構えていた。なにわ男子のファンという20代女性は「まだ社名変更の実感が湧かない。残念ですけど、私たちは応援し続けるだけです」と話した。

2日の会見では新社長の東山紀之(57)が「全て『ジャニーズ』と付くものはなくなります」と述べており、藤島ジュリー景子前社長(57)も書面で「ジャニー喜多川の痕跡をこの世から一切なくしたい」とコメントしている。関係者によると関連会社なども含めて急ピッチで名称変更への動きを進めていくという。「ジャニーズ」消去への動きが加速している。