米ハードロックバンド、キッスのジーン・シモンズ(74)とポール・スタンレー(71)が、2021年に行われた米ツアー中に新型コロナウイルスに感染して亡くなったスタッフの遺族から訴えられていることが分かった。

オンラインメディアTMZによると、バンドのツアー中にコロナの陽性反応が出てから2日後に死亡した技術者フランシス・ストゥーバーさんの家族が、安全対策措置が不適切で、必要な治療が受けられなかったとしてバンドメンバーら関係者を提訴したと伝えている。家族は、メンバーやスタッフが次々とコロナに感染する中、ホテルの部屋で隔離するよう指示された以外、何もしてくれなかったと主張しているという。

バンドのマネジャーが医師の訪問診察を約束したが、手配されず、別の人物が部屋に様子を見に行った時にはすでに死亡していたと明かしているという。最初にコロナに感染したスタンレーが、ウイルスを拡散させたと家族は主張しており、2人のほかにコンサートを運営するライブ・ネイションなどに対しても金額不明の損害賠償を求めているという。

スタンレーは21年8月末にコロナ感染を公表して公演延期を発表。その後、シモンズも陽性となり、軽い症状が出ていることをSNSで公表していた。当時、バンドもスタッフもツアー関係者全員がワクチン接種を済ませていると説明していた。スタンレーは、同年12月にもオミクロン株に感染したとして2度目のコロナ陽性を発表している。(ロサンゼルス=千歳香奈子通信員)