両親に向精神薬を服用させ自殺を手助けしたとして、自殺ほう助の罪で起訴された歌舞伎俳優市川猿之助(本名喜熨斗(きのし)孝彦)被告(47)に対し17日、東京地裁は、懲役3年執行猶予5年の有罪判決を言い渡した。

紺色のスーツに青色のネクタイ姿の猿之助被告は、入廷するとじっと目を伏せていた。判決言い渡し、量刑理由の説明を聞いている間は、証言台の前でうつむき気味に前を向いていた。裁判官による説諭はなく、席に戻った時も大きな表情の変化は見られなかった。退廷の際は、裁判官と検察官に一礼ずつし、法廷全体にも一礼した。5分弱で閉廷した。

10月20日に行われた初公判で検察側は懲役3年を求刑、弁護側は松竹や親族らからの4通の上申書を提出し、執行猶予付きの判決を求めた。

起訴状によると猿之助被告は、5月17~18日、父で歌舞伎俳優市川段四郎さん(当時76)と母延子さん(同75)の自殺を手助けし、向精神薬を服用させ、死亡させた。初公判では起訴内容を認め、両親を死なせた後悔と反省を述べていた。